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2007年7月

2007年7月30日 (月)

Freddy Mcgregorな日

Freddy_magregor 僕がよく覘くブログで、黒人音楽とは何なのかということについて筆者が書いており、数人が自分の黒人音楽観をコメントしていた。そこで語られている内容には納得できるところも、受け入れがたいことも記入されていた(それは意見の相違であり、その人が違うというわけではない)。その中で黒人音楽として容認できないという意見が多かったのが、今様のヒップホップとレゲエ。でも、このどちらもが僕は黒人音楽だと思う。そもそも、僕の黒人音楽の定義は「黒人から発生した音楽」というもの。だから、個人的な意見に左右されることなく、黒人が生み出した音楽こそが黒人音楽たり得るということになる。それを自分のものさしで定義してしまうと、ただの好みの問題になってしまう気がするからだ。でも、レゲエは受け付けないというソウルファンが多いことに少なからず衝撃を受けた。ロックステディなんかは完全に古いソウルの流れを汲んでいるように感じるけどなぁ(Ken Bootheなんて、もろソウル歌手でしょ)。僕はレゲエも黒人音楽だと思うって気持ちを込めて、今日はFreddy Mcgregorの「Freddy Mcgregor」を紹介。

79年発表。小さい頃から歌手としての活動を始め、ロックステディ期にはStudio Oneですでに傑作を残している偉大な歌手Freddy Mcgregor。彼はレゲエ四天王の一人とも呼ばれ、レゲエ界においては大きな存在なのだ。その中でも僕が力を入れて紹介したいのが、この「Freddy Mcgregor」という作品。ちなみに、本作はジャマイカで「Mr. Mcgregor」というタイトルで出されている作品と同内容であると思われる。音はルーツルーツした重~いものではなく、ロックステディの頃ほど軽くもない、ちょうどよい重さを保っている。でも、やっぱり特筆すべきはFreddy Mcgregor自身の歌。ジャマイカでは珍しい、ソウルっぽさを非常に感じさせる歌手なのだ。それを特に実感させてくれるのがロックステディタイプの"Oh No Not My Baby"。ここでは本当に気持ちよく歌っているように感じられる。でも、このFreddy Mcgregorのすごさを改めて感じることが出来るのはむしろルーツタイプの"We Got Love"。ルーツタイプの曲では歌唱力よりも節回しの方が重視されるように思えるのだが、それも難なくこなし、さらに自分の歌唱力を際立たせることが出来ているのだ。このロックステディとルーツの両方で魅力的な歌を披露できたFreddy Mcgregorは真に魅力的な歌手だということが出来るだろう。また、前者の魅力を堪能したい方には「I Am Ready」を(「Bobby Bobylon」もいいけど、僕はこっち)、後者の魅力を堪能したい方には「Big Ship」あたりがオススメしたい。

っていうか、このレヴューを書いているときに、何でソウル好きがレゲエに拒否反応を出すか少し分かったような気がした。それはあのルーツな節回しが駄目なのだと思う。確かにあれは独特なものがあるし、ルーツは歌手に求める要素として歌唱力とは違う部分を求めていることが多いような気がする。そこがソウル好きの反感を買ったのだろう。でも、そんなソウル好きの人にも一度Ken Bootheの"Moving Away"(ロックステディ期のソウルフルな名曲)あたりを聴かしてみたいもんだ。

2007年7月29日 (日)

青木雄二な日

Photo_1 現代にある芸術は少なからず過去に影響を受けている。それは僕が好きな音楽においては「~に影響を受けた」、「~をリスペクトしている」などと表現される。しかし、過去からの影響という点では漫画も負けていない気がする。それは最近強く感じる。僕は古い漫画も新しい漫画も読むことにしているのだが、新しい作家では昨日浅野いにおを読んだ。クイックジャパンという雑誌で連載を持っていたので興味を抱いたのだが、期待に違わない好内容だった。でも、やっぱり過去の作家(これはその人が古いという訳ではなく、影響を受けた人物以前に作品を発表しているという意味)からの影響を感じた。それは古谷実。そうあの「稲中卓球部」の作家だ。最近では「シガテラ」などで都市部の若者の生活に恐怖感を調合した作品を発表しており、そこに影響を受けてるように感じた(絵にも若干影響あり)。でも、過去に影響を受けることは決して悪いことではない。音楽なんかサンプリングなんつー手法まであることだし。いろいろなところから影響を受け、それを自分の中にうまく吸収して自分なりの作品を作ってもらいたい。でも、今日はワンアンドオンリーな作家青木雄二の「さすらい」をご紹介。

97年発表の短編集。青木雄二といったら、なんといっても「ナニワ金融道」が有名なのだが、あえてこちらを薦めておきたい。それは短編集というかたちなのでとっつきやすく、かつ凝縮された青木雄二が楽しめるからだ。しかし、この男、作品数が極端に少ない。監修で関わった作品や本人作の本は結構あるのだが、単行本された本人名義の漫画は本作と「ナニワ金融道」の2作品のみ。でも、そこには青木雄二の描きたかった”人とカネ”というテーマが十分すぎるほど描かれている。その人間臭さ剥き出しの表現は史上最年長でヒット漫画家にのし上がるまでの苦難の経験の賜物なのだ。それは全編に貫かれている。

この作品の中で最も重要な作品"悲しき友情"のテーマは”観念論と唯物論”。この壮大なるテーマを考えるのは大学の教授、大企業の社長などではなく、ドヤ街の明日も分からぬ若者とおっさん。でも、だからこそリアルになれる。今、自分が生きる世界をどう変えようと考えるのだ。その二人の考え方に関するやり取りが低所得層の生活を通して非常にうまく、面白く描けている。そして、この作品には僕が漫画に求めているものをうまく表している一部分がある。それは「愛に満ち、知性に満ち、明るくて幸せなもの(漫画)を読みたいのですか。僕は暗い方に真理、リアリティーが潜んでいると思います。」というところだ。青木雄二や畑中純の作品を読んでると、「なぜガロにいかなかったのかな?」と思う。でも、最近青木雄二の本を読んで納得が出来た。「ガロの作品は好きで読んでいたが、ガロは原稿料を出さないから、あそこでは描かない」といった類の記述があった。やはり、この世の中は資本主義で成り立っているわけで、理想だけの世界は存在し得ないということだろう(理想は共産主義といってはいるが)。どこまでもカネというものが分かっている人だ。

最近、逆柱いみりの回の検索が多いので、漫画についても書いてみました。やっぱり、漫画も音楽も自分が好きなものを紹介できるってのは気分がいいですな。これからも、どんどん音楽、漫画の名作を紹介していきまっせ。

2007年7月27日 (金)

White Heatな日

White_heat やっぱり、音楽ってでかい音で聴いて、なんぼだと思う。友達の携帯音楽プレーヤーとかを聴かしてもらって、異様にちっちゃい音だったりすると少し残念な気がする。小さい音でシャカシャカ鳴ってるだけじゃ、その音楽が本当に良いのかという判断がしにくいからだ。特にこれがヒップホップなどのクラブミュージックであるときは致命的だ。やっぱり、ドラムの鳴りが命な訳だし、それが小さいとなると、魅力は半減、いやそれ以下になってしまう可能性がある。でかい音で聴くと、外に漏れるっていう心配があるのかもしれないけれど、最近のイヤホンは改良されて音漏れには強くなってるんだしね。ある程度の音量にしなきゃあんまり聴く意味がないと思うなぁ。で、今日はWhite Heatの「White Heat」をでかい音でかけながら、ご紹介。

75年発表。エグゼクティヴプロデューサーにはかのBarry White。この盤を見つけた人の仲には、彼が関わっているということで、興味を抱いた人も多いのではないか。Barry White自身のアルバムはその低音ヴォイスをどう捉えるかによって、判断が二分されてしまいそうだけれど、音作りに関しては絶対の信頼を置くことが出来る人物であることは間違いない。例えば、フリーソウルでの超有名盤Gloria Scottの「What Am I Gonna Do」やソウルグループものの名盤West Wingの「West Wing」なんかも手がけていたりする。本作ではそのメロウな手腕がうまく、ヴォーカル&インストグループのファンク感と交じり合っている。こっちのグループの面子も後のSwitchになる連中で、この頃から十分満足させてくれる作品を作ってくれている。ファンク曲もソウルな曲もどちらも高水準なグループなので、この1曲というよりはアルバムの流れで聴いて欲しい作品。まあ、でも1曲あげとくなら(結局あげるんかい)、"If That's The Way You Feel"かな。ヴォーカル&インストグループのアルバムに入っているソウル曲はいいっていうのを体現してくれるかのようなグルーヴィーな良曲。オススメ盤です。

音漏れについて書いたけど、あれに関して一言いいたいことがある。音漏れはいい行為だとは決していえないが、電車んなかで大きい声で会話してんのも僕にとっては同じくらい騒音な気がするということだ。僕も音漏れに関しては気を使っているのだから、そっちもちょっとは考えてくれよなと。音漏れだけが悪者にされるのはなんか納得いかない今日この頃です。

2007年7月25日 (水)

Rudy Love And The Love Familyな日

Rudy_love_and_the_love_family 最近、中古CD・レコードの価格が低下していると感じているのは僕だけでしょうか。客としてはうれしいことこの上ないんですが、CD・レコードショップ側としてはたまったもんじゃないでしょう。それでなくても、音楽配信の普及により、売り上げが下がっているのに。ここで、価格低下という二つ目の障害を受けた場合、多くのCD・レコードショップに大きな打撃を受けることは間違いない。しかし、これも音楽配信が元になってるんだろうなぁ。音楽配信の成長⇒CD・レコードショップの売り上げ低下⇒価格下げ、売り上げアップ図るといった構図でしょう。現に、渋谷ではここ1~2年の間でチェーンのレコファンが2店舗、バナナレコードが1店舗閉店しているという状況。やはり、かなり大部分が淘汰され、経営の合理化を図った強いものとニッチなニーズを掴んだCD・レコードショップが残っていくんだろうなぁ。そんな心配をしつつ、今日はRudy Love And The Love Familyの「This Song Is For You」をご紹介。

78年発表の2作目。レーベルはCalla(良盤を他にも出してます)。このグループは1枚目も素晴らしく、ジャケットは蝶の絵で、こちらの方が知られているかもしれない。僕も1枚目は以前から所有して愛聴していたのだが、マイナーなレーベルだし、まさか他の作品はないだろうと思っていたんだが、先日本作を発見したときはびっくりしました。しかも、内容が素晴らしい。78年という時期なんだけど、ディスコ臭は薄い。それはやはりヴォーカル&インストグループという構成だからなのか。しかし、その分ファンクな曲も多く、B面はファンク面となっているが、こちらにはあまり魅力は感じられない。だが、それを補って余りあるA面のソウルサイドは素晴らしい。冒頭の表題曲"This Song Is For You"はメロウな音作り。そして、それに乗るリードは非常に感情豊かに歌い上げてくれる良曲。また、雷の擬音から始まる"My Imagination"も最高。"All I Can Say"もディスコめなアップナンバーなんだけど、歌に実力があるからなかなかよいです。A面だけのためでも買っとくべき1枚!

アジアカップ、日本負けちゃいましたね…。サウジの前線の個人技に隙をつかれた感じ。残念だけど、オシムジャパンのサッカーは以前に比べて、技術レベルや創造性、決定力、精神力が上がったように感じる。2回も追いついたのには少し感動すら覚えました。3位決定戦をがんばってもらいたいところです。はい。

2007年7月24日 (火)

Count Bass Dな日

Count_bass_d「Touch Of Classな日」を書いたときに、Touch Of Classについてちょっとネットで調べていたら、「Love Means Everything」が音楽配信されていて非常に驚いた。うおっ、P-VINE音源までネットでダウンロードできちゃうんだと。すごいね、情報化社会。でも、こういったマニアックな音源配信て売れているのかなぁ。基本的にこういった音楽を聴く人達はコレクター癖が強いと思うんだよね。そういうタイプはやっぱり"モノ"に弱いわけで。だからこそ紙ジャケなんて凝ったものも売れると。そこらへんのニーズとは若干ズレがあるような気がします。やっぱりジャケとか眺めて、そこから取り出して聴くっていう一連の動作をした方が味わい深い気がするしね。でも、視聴できるってのはうれしいかな。CDを買うための参考には十分になりえます。そんな"モノ"の良さを噛み締めつつ、今日はCount Bass Dの「Art For Sale」をご紹介。

05年発表の国内盤。もともとは97年にインディーズレーベルから出していたものに5曲のボーナストラックを加えて出し直したもの。それにしても、このCount Bass Dという男は本当に変わり者だと思う。その音に対する独自の感性は他の追随を許さない。本当に他に似ているなっていうアーティストがいないんだよなぁ。音はメロウという点では一貫しているのだけれども、当のCount Bass Dはラップしたり、鼻歌したりと自由奔放。そこから来るまったりとしたゆるい空気はまさに今の時代に合っている。これを97年に作っているというのがスゴイ。前作の「Pre-Life Crisis」なんか95年作だけど、似たような空気感を持ってるもんね。"No Good"なんかは「これもヒップホップってことでいいの?」とか感じちゃうけど、アルバム通して聴くと全然ありなんだよね。全体がCount Bass D色に染まっていてるから。Mf Doomなんかとは全然違うスタンスなんだけど、こういうヒップホップのかたちも非常におもしろい。やっぱりその人なりの独自の世界観がある人は強いわ。

「果たしてソウル好きは音楽配信を利用するのか?!」っつー問題は結構おもしろいなぁ。今後も動向を探っていきたいです。「モノ→データ」に100%いこうしてしまうのか?! それともそれに迎合しない…いや、できない人々はいるのか。

2007年7月22日 (日)

Romeな日

Rome 以前、友達が「レゲエのライブ行くんだけど、こんな服装じゃヤバイなぁ」と言っていた。やっぱり音楽と服装の関係性っていうものはあんのかなぁ。ヒップホップ好きな若造はやっぱりぶっといB-Boyスタイルをしているし、UKロック好きはほっそいジーンズにぴちぴちのTシャツなんか着てたりする。でも、ソウル好きな自分の服装はというと古着主体のよくわかんない系(なんじゃそりゃ)。好きなアーティストのTシャツなんかは着ちゃうけど(Michael Jacksonのとかね)、やっぱり服装と音楽は別物でしょ。そういうカッコしたり、そこからインスピレーションを受けたりするのは全然いいと思うけど、「好きな音楽に合ったカッコしろよ」って断定しちゃうのはおかしい。服装は自分の好きな音楽によって捻じ曲げられるものじゃないし、その逆もまたしかりと。ようするに愛聴盤が浜崎で、ファッションはB-Boy系なヤンキーはあり。ほっそいカッコして、クラブ乗り込むくらいの勢いじゃなきゃね。さて、スキニージーンズなんかもはく僕が今日紹介する盤はRomeの「Rome」。

97年発表。R&Bの世界でも強くソウルを感じさせてくれるアーティストRome。こういうタイプのアルバムって基本は80年代後半くらいからあまり変わっていないと思うんだよね。当時はかなりエッジの立ったキンキンな音(この表現あってるか?!)だったのだけれど、時代が経つにつれて角が取れ丸みを帯びたまろやかな音になったってくらいの変化じゃないかなぁ。やっぱり、歌える歌手を生かすための楽曲の根本は変わらないと。歌は太くも細くもなく中間くらいなのだけれど、いい表現力は持っていると思う。楽曲+歌の雰囲気でいえば、Keith Sweatなんかに近い感じかな。全体を通して、甘いシンセとRomeの歌唱を堪能できる内容となっており、個々の曲で楽しむというよりは通しで聴いて楽しむタイプのアルバム。これ以降はマイナー落ちしてしまうんだけど、いいアルバム作ってます。こういうタイプのアーティストの作品は長く楽しむことが出来て、非常によいと思う。これからも期待してます。

やっぱり服装も音楽も他のものも自分のスタイルの構築っていうのが大事だと思う。そうすれば、芯がぶれずにいられるんじゃないかな。流行りものも自分の考えに合えば取り入れるし、合わなければ取り入れないっつー。それでも、食わず嫌いになってしまっては駄目だから、新しいものにも一度は挑戦しつつ、自分の見識を深めていきたいもんすね。

2007年7月21日 (土)

Tribeな日

Tribe いやぁ、今日はやっぱりアジアカップのオーストラリア戦の話をするべきでしょう。よくやった日本って言いたいね。試合を通して、いい攻め、いい守りが出来ているように感じましたわ。後、また川口が神になったし。でも、やっぱり今日一番のプレーは高原のゴール。あれは素晴らしすぎでしょ。あそこの混戦でシュートフェイントでかわして、一対一をつくってシュートを決める。完璧ですよ。インタビューで、「ディフェンダーがよくキックフェイントにひっかかっていた」って言ってたけど、あそこでそれを冷静に出せたっていうのはすごいわ。今がやっぱり最高潮なんじゃないかな。さて、今日はあの試合のように熱い音楽、Tribeの「Tribal Bumpin'」をご紹介。

75年発表。あんまりメジャーなグループではないのだが、確認済みのものだけでもアルバムは3枚も出している(本作の他に「Ethnic Stew」、「Dedication」)。どれも違うレーベルから出ているし、メンバーもアルバムごとに変わっているのでそんなヒットには恵まれなかったのではないだろうか。しかし、どのアルバムも一定水準には達しているし、実力は感じられる。ジャンル的にはレアグルーヴっていうのが一番近いかな(ファンクとロックが混じったような感じ)。メンバーには白人も東洋人もいるので、予想通りごった煮的な音楽が出来上がっている。でも、そんな音楽だからこその熱気がほとばしっている。それを最も感じさせてくれる曲が"Ebony Lady"。この勢いたっぷりの演奏は自然と自分を盛り上げさせてくれる。特に乱れ打ちのドラムなんか最高に熱いし、ドラムブレイク後の各々のソロプレイもカッコイイ。アルバム全体の評価としては水準くらいだとしても、この1曲のために買って欲しい一枚(店で見た場合、大体安いし)。

アジアカップはこのまま優勝できるんじゃないか。前回もPK戦の勝利から勢いで取れたことだし。オシムジャパン期待してます(でも、PK見てよ、オシム…)。

2007年7月20日 (金)

Blazeな日

Blaze 昔から考えていることの一つに、「良い悪いは、好き嫌いを超越しうるのか」ということがある。好きか嫌いかっていうことはその人自身による判断で決まることだけれども、良し悪しはそう簡単にはかたずかない。はたして、良い悪いって誰が判断するのだろうか。大衆?そうすると、浜崎あゆみやオレンジレンジは素晴らしい音楽ということになる。では、評論家?しかし、評論家同士に意見の食い違いは多い。でも、音楽を聴き続けてきたものたちが推薦する音楽は普通の高校生が薦めるものよりも良いものである可能性は高い。ここで、多くの評論家が推薦するものにはいいものが多いはずだという仮定は立つのだが、それでは個人の好き嫌いを超えることはできない。しかも、良いものといっても判断基準が曖昧だ。どんな音域でも素晴らしい歌唱力を持った歌手が一寸の狂いもない演奏の上に乗ったときに最上のものが生まれるかというと、そういったものでもない。少しはずした歌唱や演奏が気持ちよくはまるときもあるからだ。それはやはり一人一人の感性に頼る以外ないのではないのだろうか。しかし、高い評価に定まっている名盤というものも存在する。う~ん、やっぱり今回も答えは出ないかな。少し難しいことを考えた後は、癒してくれるようなBlazeの「25Years Later」をご紹介。

90年発表。レーベルはあのMotown。う~んこの盤を一言で言うと、「遅すぎたニューソウル、早すぎたニュークラシックソウル」といったところか。まさに70’sソウルな空気感たっぷりなのだ。"I Wonder"はもろにMarvin Gaye。"All That I Should Know"なんかはもろにStevie Wonder。ということは、"Lover Man"はCurtis Mayfieldを意識してつくったということになるのだろうか。グラウンドビートやニュージャックスウィングが流行っていた時代にこの音が出てくるとは。いやはや突然変異としかいいようがない。

僕が購入した盤は後年Ciscoが再発したもので、90年に発売されたCDとは曲順が変わっている。前半(1枚目)がソウルサイドで、後半(2枚目)がハウスサイドなのだ。最初にA面から聴いていったときにB面ラストまではこれのどこがハウスなんだと思ったが、C面から一気に変わった。めっちゃハウスです。でも、やっぱりソウルをかんじるんだよなぁ。"Get Up"なんかは特にね(名曲です)。後、この2枚目は曲が進むにつれ、どんどんソウル臭がなくなり、機械的なクラブミュージックになっていく。これを聴いていると、「原点はやっぱりソウルなんだよ」ということを伝えたいのだと推測したくなる。というよりも、耳でそれが確認できてしまうのだ。ソウルとクラブミュージックの関係性を考えるときの重要作であると同時に最高の内容を誇る名盤であるということも出来るだろう。必聴です。

いやぁ、熱く書いていたらついついアップさせるのが遅れて20日になってしまいました…。昨日の書けなかったー。まぁ、その分こちらに力を入れたということで…。

2007年7月18日 (水)

Front Pageな日

Front_page 「笑いは格闘技だ」といわれることもあるけど、僕は「笑いはサッカーだ」の方が近い気がする。こういっただけじゃなんのこっちゃ分からないと思うが、ダウンタウン周辺の番組を見ているとそう思えてくるのだ。つまり、笑いはゴールを決める(笑いを取る)ことだけが、役割ではないということだ。状況を見渡し、どこへパスを送れば、一番いい展開を作れ、ゴールが決まるかということをみんなが考えなければならないと思うのだ。ダウンタウンファミリーを見ていると、その共通理解度が非常に高いと感じられる。お前がそういうパス出したら、こっちはこう返すから、最後はこれでゴールだみたいな場面に出くわすと、やっぱり高度だなと思う。確かにゴールを決める発想力が一番キツイところなんだが、パスを繰り出す司令塔の役割も非常に重要だ。だから、ダウンタウンってすごいと思う。今日はそんな笑いを考えながら、Front Pageの「Front Page」をご紹介。

94年発表。これぞ、90年代中盤のR&Bだなというヒップホップとの融合を果たした太いビートとメロウな音の数々に歌える声が響いてくるというまさに王道な展開。そしてこのグループの楽曲には随所にソウルな味付けがなされているところがさらにベター("La La Means I Love You"のフレーズとか)。そういった意味ではStylisticsの"You Make Me Feel Brand New"のカバーは非常に美しい出来で、本作の中でも一二を争う出来になっている。こういったミディアムナンバーで甘さを見さしてくれる一方で、ダンスナンバーでも実力を発揮してくれるところがこのグループの素晴らしいところ。中でも"Let's Get Comfortable"は特によい出来で、太いビートと甘いシンセのトラックに乗る彼らの歌唱は本当に力強い。こうしたスロウでもアップでもいい曲を生み出せるというのは、そのアーティストの力量を測る上で重要な点だと思う。その2つを持ち合わせていたにもかかわらず、このグループがこの1枚で消えてしまったというのは非常に残念でならない。

笑いの世界はサッカーに比べて世代交代というものが遅いと思うのだが、今、各番組の司会を行っているクラスの芸人を超える若手は出てくるのだろうか。それは楽しみでもあり、不安でもある。

2007年7月17日 (火)

Grand Pubaな日

Grand_puba いやぁ、みなさんて自分のお気に入りのレコード屋さんってのはあると思うんですが、どんなところを気に入っているのかなぁ?僕が好きなのは、掘り出し物がある店。もちろんdisk unionとかは必須の店舗なんだけど、それと平行して、あまりメジャーでないレコ屋さんにも行ってみたい訳で。そんな風に探し回っていたときに、僕が見つけた店で一番気に入っているのが高円寺にあるKOKOMOというお店。店長さんと少し話した感じだと、国内と外国からの仕入れと両方を行っているみたい。内容と値段が良心的なのが非常に満足度高いです。全ジャンルあるんだけど、ソウルはNumonicsが入荷していたりと、結構レアなもんまで入ってくる。店のこじんまりしたいい雰囲気と店長さんの人のよさそうな感じがまたいいです。ぜひ、行ってみてください。そして、今日は別にKOKOMOで買ったわけではないGrand Pubaの「2000」をご紹介。

95年発表。個人的な捉え方としては、95年はヒップホップ黄金期の最終章といった位置付け。翌96年にはA Tribe Called QuestがUmahプロデュースとして「Beats, Rhymes And Life」、Dr. Dreがコンピとして「The Aftermath」発表と、新たな音作りに挑戦しており、次の時代への移行期という時代に入ったことがうかがえる。まあなによりもBad Boyが世を席巻し始めたことがいままでのヒップホップに終止符を打ったといえるだろうし。でも、だからこそ95年という年には黄金期最後にふさわしい完成度の高い作品が数多く発表された。例えば、Pharcydeの「Labcabincalifornia」やLord Finesseの「The Awakening」などなど。その中でも一際輝いていたのが本作。サンプリングを使ったメロウなヒップホップの完成形がここに提示されているともいうことが出来るだろう。この時代に完成形を見せられたからこそ、今のジャジーなアングラヒップホップは懐古趣味だと言われてしまうのだ。

全編メロウこの上なく仕立て上げられた本作はまさに「めくるめく甘美な世界へようこそ」とでも言わんばかりだ。それがこのジャケットに写っているださださおっさんの手から生み出されているのだから驚きだ。でも、このおっさんただもんじゃない。90年の時点でBrand Nubianの「One For All」で、Roy Ayersをサンプリングした"Wake Up"という初期メロウヒップホップを手がけているのだから。この考えを自由に形として表現できたのが本作なんじゃないかと、僕は思う。全曲素晴らしいのだけれど、中でもずば抜けてよいのが"I Like It"。ヴァイブの甘い音色、絶妙なドラム、そして鼻歌まじりにラップするGrand Pubaがもう最高じゃないか。"You Are Everything"の替え歌もしちゃってるし。永遠に色あせない名曲です。

最近、黄金期のメロウなヒップホップと今のメロウなアングラヒップホップの違いはなんだろうと考えてみた。僕が考えるには、ラップの力量とドラムの音の大きさ(黄金期>今)に違いが感じられる。アングラによいラッパーが少ないのはしょうがない気がする。でも、ドラムが小さいのはいただけないなぁ。アングラでもFunky DLの"Don't Even Try It"くらいぶっといドラムをもう少し聴いてみたい。

2007年7月16日 (月)

Touch Of Classな日

Touch_of_class いやぁ、本当にブックオフって音楽好きにとっては素晴らしいところだと思う。なんたってCDが破格の安さ。250、750円(店舗によっては500円という値段帯も)っていう価格は非常に買いやすい。250円はちょっと気になっていたら、750円は買おうと考えていたものみたく自分の評価基準が決められれば、かなり効率よく安い買い物ができる。しかもたまにやっているセールはさらなる衝撃。250円の品3枚が500円(1枚単価166円!)。750円の品2枚が1000円でといったやつだ。昨日、近くのブックオフでそれやってたんで、CD23枚も一気買いしちゃいました。それで3100円。内容もDj Shadow、Raphael Sadeeqから、ブラジルのTania Mariaなんてのも。音楽って安く買う楽しみってのもあるし、大満足でした。今日は、最近再発CDが好評だったTouch Of Classの「I'm In Heaven」をご紹介(再発されたのは違うタイトルで「Love Means Everything」)。

76年発表。少しディスコ色強めなMidland International発(でもいい作品あり)。実はこのアルバムが1枚目で、先日再発された「Love Means Everything」は数曲加えた出し直し盤らしい。で、この出し直し盤に高値がついたから再発ってことになったらしいが、この「I'm In Heaven」でもじゅうぶん素晴らしい。で、こっちだと値段が格段に安い。僕が買ったのは3桁。他で売っていたのでも千円台中盤だったように記憶している。確かに「Love Means Everything」に加えられたタイトル曲はかなりいい出来だが(でも、抜かれてしまった"I Love You Pretty Baby"もなかなかの出来)、「I'm In Heaven」収録曲も同程度のクオリティーを持っているものは多い。だから値段対クオリティーを考えたら、絶対こっち。

本作はハイクオリティーなディスコを多くつくっているJohn Davisの制作(またまた名ソウルプロデューサーDavis理論)。その力量をまじまじと感じることができるメロウさ&ディスコ的ノリのよさを兼ね備えている。それにフィリーな味付けをほどこしていて、出来はかなりいいといえる。歌を聴いていると、少し軽いかなと感じることもあるけれど、この音には逆にこれくらいの方が絶妙にマッチしていると、言えるのかも。軽快なメロウさをじゅうぶんに堪能することが出来るアップ、ミディアムナンバーにオススメが多い。そういった点では捨て曲が本当に少ない良盤ということができるだろう。

でも、ブックオフがこれだけ安いのはそのものがいくらくらいが適正値段か判断する人物がいないということ(漫画でも市場価格がかなり高いプレミアがついてるものが100円で売ってたり)。しかし、それが成功するんだから、そちらが正しいということになるんだろう。そういうちゃんと査定する人件費やプレミアがついたものを適正値段で買う人を待つ回転率の悪さというものを排除し、均一化したマニュアルによって働いていくことで、これだけの急拡大をすることが出来たのだから、それについては否定の仕様がないのかもしれない。でも、ブックオフの価値観だけしか存在するならば、きれいで新しいものにしか価値がなくなってしまう(CDとかは少しプレミアみたいなものもあるみたいだけど)。それはそれで寂しい気がするけどね。

2007年7月15日 (日)

Jammな日

Jamm 僕は最近、飲む機会が何回かあったんですけど、飲み方ってやっぱり人それぞれなんだなぁと改めて感じました。例えば、焼酎とかみんなお湯割とか水割り、もしくはロックでしょ。個人的にはあれが納得いかない。お湯割りはまだ分かるんだけど、水割りやロックはちとキツイ。まず、ロックはなぜ冷たくすんだと。あの冷たい焼酎のまずさと、後半薄くなってくる感じがどうもいかんよ。水割りもあの薄い感じが…。やっぱ焼酎はストレートが一番な気がする。あの25%っていうのが一番アルコールが体に染み渡ると思うんだよね。まあ、でも音楽と同じで好みは人それぞれって言ってしまえば、終わりなんだけどね。それはそれでちょっと悲しいんで、お酒についてもちょっと一言みたいな。そんな感じで、今日は酔って帰ってきたときにかけたくなるJammの「I Promise」をご紹介。

91年発表。たぶん彼らの2枚目の作品だったと記憶している。このグループはそんなにメジャーではないが、80年代後半~90年代初頭にかけてのアーバンできらきらしたR&Bをつくってくれている。二人とも中高音域の声で、実力は感じられるし、コーラスが乗ってくるとさらに映える。ということで、アルバム内でオススメできるのは圧倒的にミディアム、スロウナンバー。正直言ってダンスナンバーには興味はそそられない。アルバム収録曲も9曲と少なめなので、いっそミディアム、スロウだけでよかったのにと感じてしまう。そう思わせてくれるのもミディアム、スロウナンバーが相当完成度が高いから。語り入りの"The Games We Play"を筆頭に、"You Give Good Love"、"Can't You See"、"I Promise"といった曲での二人の歌、バックサウンドのきらびやかなアーバンさ加減、どれをとっても「最高」という形容詞しか出てこない。少し、マイナーなアルバムだが非常に完成度が高い一作だ。

いつもよりちょっと早めに書きました。これから飲みにいくもんで。でも、家に帰ってきたら、部屋でこのアルバムをかけるつもりです。ぐでんぐでんになっていなければ…。

2007年7月14日 (土)

時代を2度変えたDr. Dreの日

Dr_dre 昨日、少し見ていたニュースの一場面で、YMOのインタビューをやっていた。そこで彼らは、「僕たちは懐古趣味になりたくはない。新しい音楽を創っていきたいんだ」といったニュアンスのことを言っていた。これは非常に難しいことだ。資本主義の社会においては、やはり需要と供給という概念が非常に大きい。それは音楽の分野においてもいえることだと思う。人々が求める音楽を作ることで、その音楽が売れるという結果につなげやすい。商売を考えなければ、自分の好きなものを創ることが出来る。しかし、それはただの自己満足という結果に終わってしまうことの方が多いだろう。新しいものを生み出し、それを商売として成り立たせるのは非常に困難で、高い壁であるのは間違いないはずだ。しかし、それを実行しているアーティストもいるのだ。今日は、そんな数少ない時代を変える力を持ったアーティストの一人、Dr. Dreの「2001」をご紹介。

99年発表。90年代のヒップホップに終止符を打ち、00年代のヒップホップを意識させた文字通りの重要作だ。昨日書いたNate Doggの「"G-Funk Classics" Vol.1 & 2」はG-Funkの完成形だということができるが、G-Funkというものを最初に世に広めたのはこのDr. Dreの「The Chronic」だ。そこからあっという間にG-Funkというものは西海岸の主流の音となってしまい、東海岸のヒップホップにも大きな影響を与えた。ここで一回Dr. Dreという男は時代を変えたのだ。ヒップホップのプロデューサーとしてはDj Premier、Pete Rock、Marley Marlなども確かに一時代を築いた。しかし、彼らは時代を一回しか変えることが出来なかった。だが、Dr. Dreはまたやってのけたのだ。この「2001」という作品で。そして、この後のEminem、50 Centとその一派の作品で圧倒的な成功を収めていくことになるのだ。

この簡素で、癖になるような音作りはG-Funkとは明らかに違う(一部まだ残り香が残っているものもあるが)。凝ったメロディをあまりつくらず、単調な音と音の重なりで聴かせるような感じか(感覚的にはJay Deeなんかと近いのか)。最初に聴いたときは、あまりピンとこなかったように記憶している。しかし、聴き続けるうちにズブズブとはまり込んでしまった。特にこのアルバムでの重要曲は僕の場合は"Still D.R.E."。この琴の音の繰り返しに似たような音の電子音とストリングス、上ネタの構成要素はこれだけ。そして、それに絡みつくようにラップするSnoop Doggが最高すぎる。一つも派手な要素はないのだが、これが麻薬的。後、Dr. Dreのつくる音ってラップが映えるものが多いように感じられる。そして、これだけの客演陣がいるんだから、よくないわけがないでしょう。そして、このDr. Dreという男はヒップホップ業界で最大級のリスペクトを得ている。いろいろな地域のメジャー、アンダー問わず多くのプロデューサーのインタビューで尊敬するプロデューサーとして名前を挙げられている。次作では、また時代を変えてくれるのか今から楽しみでたまらない。

新しい音楽が出てくることは、確かに必要不可欠なことだ。そうしなければ、前進がなく、新たな可能性がなくなってしまうからだ。しかし、古い音楽を聴くというのも、また重要なことだと思う。音楽家が前進しなければならない宿命を背負っているかもしれないが、リスナーは多くの音楽の中からいいものをチョイスする権利を持っているはずだ。古い音楽の中にいいものがあるのだから、それを聴くのは決して間違った行為ではない。では、音楽家が古い音楽をやるという行為はどうなのだろう。これは非常に難しい問題だといえる。これは以前、Moka Onlyの項でも書いたのだが、そのジャンルを深く追求するというなら、問題はないのではないだろうか。広さではなく、深さを求めるというのも一つの選択だということができるはずだ。

2007年7月13日 (金)

Nate Doggな日

Nate_dogg いやぁ、昨日は夜書こうと思ったら、友達たちが家のそばまで来てるっつーことで呼び出されまして、書けませんでした…。しかし、今日からまた復活!!

僕は高校の頃、「メロ男」なんて呼ばれていたくらいメロウな音楽好きだ。しかしこのよく言う「メロウ」って、結構定義があいまいな気がする。あんまり音楽を聴かない友達に、「この曲めっちゃメロウで、最高なんだよー」なんて言っても、キョトンとされることがある。「mellow」を英和辞典を調べてみると、「<音・光・色などが>柔らかい、豊かで美しい」となっている。当たってるような、当たってないような…。ついでに「melodious」を調べてみると、「旋律[音楽]的な;<音などが>調子のよい[美しい]」となっている。う~んこっちも合ってるような。感覚的にはこの二つを掛け合わせた感じだろうか。「音の旋律が豊かで美しい」。これでどうでしょう。まあ、こんなこと定義しなくたって、音楽を聴いていくうちに、分かってくるんだけどね。今日は音の旋律が豊かで美しいNate Doggの「"G-Funk Classics" Vol.1 & 2」をご紹介(笑)。

98年発表。制作はもう少し前になりそう。Death Raw在籍時にお蔵入りになった音源+αといった内容。G-Funk全盛期を少し過ぎた時期に出てしまったがゆえにあまり高い評価を得ることは出来なかったが、内容的にはまさに「G-Funk Classics」。G-Funkというものをメロウという側面から見たときにここまでの内容を出せたものはSnoop Doggy Doggの「Doogystyle」、Warren Gの「I Want It All」、2Pacの「All Eyez On Me」と本作くらいのものだろう。やはり、ウェッサイヒップホップは数あれど、本当にいい作品を残せたのは本隊の連中ということだろう。個々の力が非常に高い連中がお互いのアルバムに参加しあうんだから、そりゃいいものができるわな。

さて、本作での主役Nate Doggは皆さんもご存知の通りラッパーではない。ではシンガーということになるのだろうか。それも少し違うような気がする。基本的には普通に全部歌うんだが、なんか肩の力が抜けた感じ。だから歌がうまいということは全然ないんだけど、その歌唱が最高に気持ちいいんだなぁ。声もKokaneみたいなP-Funk直系なドロッとした感じじゃなくて、ふにゃっとした感じ。後、サビなどでの歌メロの作り方が異様にうまいんだろうな。「Doogystyle」の"Ain't No Fun"での歌いっぷりなんかもう最高だもん。本作でもその歌いっぷりは炸裂。Warren G、Soopaflyなどの制作陣によって作られた楽曲たちは、本当に全曲素晴らしく捨て曲がない(CD2枚組みでこれを成し遂げたのは快挙でしょ)。それでも無理やりオススメ曲を搾り出すと、"Me & My Homies"と"These Days"両方ともメロウなトラックに乗るNate Doggの歌唱が映える素晴らしい出来だ。特に後者の哀愁感は完璧。80’sソウル好きには確実に聴いてもらいたい1曲だ。最近ではこのCDも値段が上がり、少し入手しづらい事態になっているが、それは内容のなせるわざ。絶対に購入することをオススメしたい1枚です。

アンダーグラウンドヒップホップには70年代のソウルのよさが生かされていると思う。一方で、ウェッサイヒップホップには80年代ソウルのよさが生かされていると思うのだ。どちらも、ソウル好きにも訴えかけてくるものがあると思う。ソウル好きには、ソウル以外のソウルを感じさせる作品にも手を伸ばしていって欲しい。

2007年7月11日 (水)

Bruce Fisherな日

Bruce_fisher 音楽好きの皆さんは、一度くらいはそれぞれ自分なりのコンピレーションアルバムというものを作ったことがあると思う。あれはやっぱり楽しいし、時間を忘れて没頭してしまうような作業だ。僕の場合は、高校時代に友達と交換し合っていたときの思い出がやはり一番強い。当時はまだ知識も薄く、金もほとんどなかった。その中から探してきた珠玉の一曲を選び出し、構成した自分コンピレーションアルバムは自己評価は十点満点。そして、それを友達にも「こんな曲あるんだぜ。よくない?」と一刻も速く渡したかったものだ。そうやってお互いの知識を伸ばし、音楽というものにさらにどっぷりと浸っていくことが出来た。それが今はブログという形になっているのだろう。自分の知っている良盤を多くの人に紹介しつつ、他の人のブログで情報を集める。媒体が変わった今でも音楽への情熱は変わらず持っているつもりだ。そんな気持ちで、今日紹介する盤はBruce Fisherの「Red Hot」。

77年発表。この人についての詳しい知識というものはあまり持っていないのだけれど、アルバムはこの1枚だと思われる。Quincy Jonesの"Body Heat"のライターの一人(本作でもやってます)。また、ネットで調べてみると、Joe Cockerの"You Are So Beautiful"という曲のライターでもあるらしい。そうやって活動していくうちに人脈というものが形成されたのだろう。本作の参加アーティストは豪華の一言。Mtume、Tawatha Agee夫妻、Roy Ayers、Charles Earland、さらにはあの傑作を多く残したヴォーカルグループAce Spectrum(?!)まで参加しています。内容は、レアグルーヴ感が強いかな。ソウル、ファンク、ロックなんかがまじった感じ。でも、全体的にメロウな曲が多いので、聴きやすいはず。やっぱり"Body Heat"はいいし、他にもスロウの"In My Life"もかなり聴かせる出来。やはりRoy AyersやCharles Earlandといったメロウを知っているジャズマンを使うと、出来はよくなってきますな。Bruce Fisherの声はちょっと特徴的で好き嫌いが分かれそうだが、スロウなどで踏ん張るとかなりいい声出します。隠れた良盤てとこかな。

自分コンピレーションアルバムを作る機会が最近減っているが、また作りたいなぁなんて考えている今日この頃です。今度、ブログ上仮想自分コンピレーションアルバムなんてものを作ってみよっかな。

2007年7月10日 (火)

Rockie Robbinsな日

Rockie_robinns 最近はYou Tubeなどの動画サイトの発達によって、過去の名作が多く見れることは非常にうれしい。最近見た中ではごっつの「思春期」ってコントが最高に面白かった。自慰行為が溶接に置き換わっているというコンセプトのコントなのだが、この発想がかなり飛んでるんだよなぁ。コンセプトはおかしいのだが、それ以外の状況は普通の思春期の男の子(浜田)を抱える家庭。まず、母がそれを発見し子供にヒステリックに非難し、それを親父(松本)が「自分も昔はそうだった」と男の子をなだめるといった展開。その風景はどこの家庭にも起こりうる普通のものなのだが、いかんせん性の対象が溶接。そのいびつさがおもしろいんだよなぁ。後、浜田が子供、松本が大人といった組み合わせはいい作品が生まれやすいと思う。そんなことを考えながら紹介する盤は、Rockie Robbinsの「I Believe In Love」。

81年発表の3作目。このアルバムは音作りが非常にいい。80年代前半の生音+機械っていうのがたまらないんだよね。その中でも本作は少しAORよりのメロウさ加減を持っている。やっぱりここまで音がいいのはプロデューサーがいいということに直結するわけで、本作のプロデューサーもCon Funk Shunなどを手がけていたSkip Scarborough。一番いいのはミディアムナンバーの"For You, For Love"。う~んメロウ&アーバン。これを誰か隠された状態で聴いたならば、「白人でしょ?」といってしまうかもしれないくらいにAORちっく。でも、いいんすよ。歌声もちょうどよく合っていると思います。

ごっつはやっぱりすごかったんだよなぁ、ということを最近再確認しちゃうわけですよ。やっぱりやられる。最近のネタ披露番組とか見てても、面白いの少ないもんなぁ~。っていうかほぼ見てないし…。こんな昔はよかった発言してっと、やっぱ年取ったなと感じます。はい。

2007年7月 9日 (月)

Artisticsな日

Artistics 昨日深夜に行われたU20のナイジェリア戦を録画したものと今日のアジアカップのカタール戦を見た。専門家ではないので、詳しいトコについてはあまり分からないのだが、内容的には前者の方が圧倒的におもしろかった。未熟なせいで、チャンスとピンチが多く起こるからなのかもしれないが、梅崎のクロスの精度なんかにはやはり感心した。クロスの精度という点では駒野よりも安定感あるんじゃないか。他にも、技術的にうまいなぁと感じられる選手も多いし、サイドのオーバーラップも効果的に決まっていた気がする。まあ、でもいつもいわれている通り、日本人に足りないのは決定力。ハーフナー、あれはどれか決められただろと。そうして考えると、最近の高原の決定力は抜きん出るものを感じます。今日は、そんな決定力を持ったArtisticsの「Look Out」をご紹介。

72年発表の5作目。レーベルはシカゴの名門Brunswick。かのUSブラックディスクガイドではあまり芳しい評価は得られていなかったが、個人的には非常に満足できる一作。やはりCarl Davisのプロデュースの手腕にはうならされる(Dramaticsの時にも書いたがDavisはいいよ)。それも、70年代のシカゴソウルのメロウで軽快な息吹を感じさせてくれる。特に冒頭のミディアム"She's Heaven"の完成度は非常に高い。印象的なベースラインとコーラスで盛り上げるし、酷評されていたリードもんな悪くないと思う。続く曲にも満足いくものが多い。何で評価低いのかなぁ?これ以前の作品は未聴で、その作品が晴らし過ぎるのかもしれない。とにかく本作は、絶対及第点超えていると思います。ぜひ手にとってみてください。

最近のサッカーでショックだったのはアンリのバルサ移籍。アンリもアーセナルも両方好きだったのに…。これじゃあ、次作のウイイレではどのチーム使うか迷ってしまいそうです。でも、これからも両者には期待をしてんで、がんばって欲しいなぁ。

2007年7月 8日 (日)

Sergio Mendesな日

Sergio_mendes 人にはそれぞれ好きな音楽、ファッション、テレビ番組、漫画がある。これはその人が生活していく中で、刻々と変化していっているものだ。実際に音楽という側面から自分を振り返ってみても、小学生時代はJ-Pop、中学時代はパンク、高校初期はロック、それからはブラックと大きな変遷を繰り返している。この音楽というものの好みは友人に影響されるところが多いというのも確かだ。心理学的にいうと、性格というものは生得的なものが50%で、環境的なものが50%だという。好みに関しても、これが当てはまるような気がする。僕が今これだけブラックミュージックにはまったのは高校で出会った友達に強烈な影響を与えられたからだ。きっかけはそこだったが、次第に自分でも調べ探求していくうちに自分の好みというものが形成されていったように感じる。だから友達からの影響(環境)が50%で、自分の探求(生得的資質)が50%みたいなね。割合はあまり考えていないけれど、その二つが密接に関わっていることは事実だと思う。

少し話は変わるが、ブラックミュージックに強烈なインパクトを与えられた後、自分で探した音楽の一つにブラジル音楽がある。今日はブラジルで最も成功した音楽家の一人、Sergio Mendesの「Timeless」をご紹介。

06年発表。プロデューサーはいまや売れっ子の一人、Will. I. Am。そう、Black Eyed Peasのあいつだ。Black Eyed Peasが世の中に出てきた頃は西海岸アンダーグラウンドの一角として、Jurassic-5あたりと一緒に取りざたされていた記憶がある(Will. I. Amの単独アルバムだってレーベルはBBEだしね)。それがこんな一般的になるとは。やっぱり女(Fergie)の力は怖いです。でも昔からセンスを感じさせており、あの時代でファンキーとメロウを両立させることができた数少ないグループの一つだった。一方のセルメンことSergio Mendesもメロウさでは年季の入り方が違う。本作でも再演した"Mas Que Nada"に"Tristeza"や"Batucada"といった永遠の名曲を世界に知らしめてきた御大だ。そんな二人のタッグアルバムが悪いはずがない。ドラムを重くクラブミュージックに対応させたWill. I. Amのプログラミング、そこにメロウに絡み付いてくるSergio Mendesの鍵盤、そしてそこでヴォーカルを取るのはアメリカの一流アーティスト達(John Legend、Q-TipからStevie Wonder、Justin Timberlake君まで)。そりゃ最高でしょ。ブラックミュージック特有の濃厚さってものはないけど、ブラジル音楽のまったり感が非常にうまく表現されていると思う。休日の午前中に聴きたくなるような一枚。

僕がブラジル音楽にはまったのは02~03年くらい。世の中でも「ムジカロコムンド」(ガイドブック)が発売されたり、カフェミュージックとしてのブラジル音楽の需要が高まっていた時期。つまり、ブームに乗せられました(笑)。でも、ちょっとして、少し飽きてしまった。その理由としては上にも書いたように、やはり軽いから。やっぱ濃厚な音楽の方が自分には合うんだな、ということをそのときに再確認した気がする。だからといって、ブラジル音楽が悪いというわけでは決してない。上のレビューを書くときに、Sergio Mendes & Brazil 66の「Look Around」を聴きなおしてみたけど、やっぱりいいもんね。他にもJoao GilbertoやCaetano Veloso、Marcos Valleなんかは素晴らしいと思うし。

2007年7月 7日 (土)

デ・キリコの画集を見ながら聴くLonnie Liston Smith & Cosmic Echoesな日

Lonnie_liston_smith 知らない街を自転車を使って移動するのは非常に楽しい。いままでに知らなかった店なんかがあると、絶対に入ってしまう。昨日はそんな感じで、自分の住んでいるところから、西側のあたりを攻めてみた。まず、行き当たったのが大きな物置き場風のリサイクルショップ。この手の店は個人的にも大好き。レコード、古着、古本、小物が好きな人なんかにはもってこいのはず。かくゆう、僕も1時間弱くらいその店内を探し回った。収穫は安レコ4枚と、デ・キリコの画集1冊。前者はどこにでも売ってるようなものでどうでもいいといってしまっては失礼だが、重要なのは後者。改めて見てもキリコはいい。個人的にはダリなんかよりもずっと好きだ。あのどこかにありそうで、どこにもないような風景。自分の知らない街に来てしまったような不安感。その簡素化された立体感のある風景画はいつまでも飽きさせない。さて、ぜんぜん門外漢な絵画の感想文を書いたところで、本題の音楽へ移行。今日はキリコの画集を見つつ、聴いていたLonnie Liston Smith & Cosmic Echoesの「Visions Of A New World」をご紹介。

75年発表。レーベルはレアグルーヴでの評価なども高い作品を多く出しているFlying Dutchman。純粋なソウル好きからはレアグルーヴってもんは少し敬遠されがちだけれど、やはりいい作品(現代の価値観で評価できるもの)が多いのも事実。ジャズ畑からの人が多いこともあってか、音は非常に洗練されたみずみずしいものであり、聴き心地は素晴らしいとしかいいようがない。また、本作でのLonnie Liston Smithがそうであるように、鍵盤奏者名義で出された作品に良盤が多いのも事実だ。

本作のハイライトは、ジャズ系レアグルーヴアップ曲の真骨頂ともいえるタイトル曲"Visions Of A New World"。ファンキーなグルーヴの中にエレピのソロが栄える最高なナンバーだ。他の収録曲ではアップナンバーよりも、メロウでスローテンポなものに軍配が上がる。鍵盤を使ってうまく幻想的な世界観を演出している。数曲でヴォーカルを担っているのはLonnie Liston Smithの弟。黒人的な歌い方ではないが、この幻想的な楽曲には合っているのかも。夜聴きたくなる名盤です。

キリコの絵を見て、画集なんか買ってみるのもいいかなと思った。絵ってほんとに奥深くて、興味深い。僕は学校の芸術の選択授業では音楽ではなく、美術を選んでいた。自分で描いた絵はクソみたいなもんで、成績も悪かったが、美術の教科書なんかに出ている絵には少なからず好奇心を抱いたものだ。それも古いものではなく、比較的今の時代に近い近世くらいからのもの。こういう絵って漫画とかにもある程度影響を与えているような気がする。そこらへんなんかも探りつつ、ちょっと画集なんか買ってみるつもりです。

2007年7月 6日 (金)

Mf Doomな日

Mf_doom オーディオってこれからどういう風に変わっていくんだろう?外聴きはやっぱりI Podが強いだろうなぁ。あのI Pod自身とI Tunesの使いやすさはやっぱり半端じゃない。I Phoneとか出たみたいだけど、あれはどうなのだろう。でも、あれについてはぜんぜん知識無いんで、割愛。しかし、Appleの牙城を崩すのはほぼ無理だといえるはず。で、部屋聴きのオーディオはというと、これが難しい。音楽配信が一般的になった場合、普通のオーディオの必要性は薄くなってしまう。てことは、楽曲を取り込んだパソコン自身が一番のオーディオということになってしまうのだろうか。でも、たぶん二極化だろうな。金のある家庭ではホームシアターみたいのを組んで、金の無い家庭ではパソコンにスピーカー引っ付けて聴くと。どっちにしろオーディオ業界は縮小、統合を繰り返すはず。そんなことを考えつつ、Mf Doomの「Doomsday.」をご紹介。

01年、アングラヒップホップ優良レーベルのfatbeatsから発表。昨日はKanye Westをこれでもかというくらいに褒め倒して、アングラヒップホップとはレベルが違うと書いたが、今日はそのアングラヒップホップの良心ともいえるMf Doomについて書いていこう。ではまず、アングラヒップホップのよさとはなんなのだろうか?それは、僕にとっては「いなたさ」。いい意味でのいいかげんさだ。Kanye Westのトラックは非常に高いレベルでのトラック作りであったが、Mf Doomのトラック作りは幼稚。好きなものをおもいっきり突っ込んでみました的な感覚だ。でも、これが最高にかっこいい。音楽ってものはテクニックとかじゃなくて、センスがものをいう部分も多々ある。こいつは本当にセンスがいいんだよなぁ。でもヒップホップってそういうもんでもある。だって、最初はChicの"Good Times"のインストにラップ乗っけただけだからね。Kanye Westがいて、Mf Doomみたいのもいるっていうのが健全な気がする。

音はWu-Tangの音をさらにめちゃめちゃにした感じ。とにかく一音一音がおかしい。ナレーションか映画のセリフみたいなネタを多用するし、時々80’sっぽい音を使ったりと、かなり狂ってます。でもGhostface Killahがこの音を好んでプロデューサーとして起用したのはなんか分かる。二人ともソウルが好きそうだし。とにかくおかしくそれでいてソウルを感じさせるトラックに乗るMf Doomのラップはお世辞にもうまいとはいえないが、かすれた声がなんか合ってんだな。オススメはもちろんタイトルトラックの"Doomsday"。これはアングラ史上に残る傑作。このアルバムの中でも群を抜いて完成度が高い。他には80年代ネタのものが印象深い。こういったネタ使いをする人は非常に珍しいし、内容的にもよい。この作品以外にも彼が参加し、プロデュースを行っているKing Geedorahなんかもいい出来してます。

ふー、書き終わった。てかこのブログ読んでくれている人っているのかな?これを呼んで共感なさった方、誰かなんかコメントください(悲痛な叫び…)。

2007年7月 5日 (木)

Common Senseを超えたCommonな日

Common アーティストが自分のキャリアの序盤で大傑作を作ってしまった場合、それを超える作品を作り出すのは非常に難しい。特に有名なのがヒップホップ界のNASとSnoop Dogg。彼らはともにファーストアルバムで時代に強烈な印象を残してしまったがために、新しいアルバムが出るたびその1枚目と比べられてしまっている。時々、もう1枚目を超しただろうといったレビューがなされることもあるが、それを僕自身が実感したことはない。二人とも1枚目というものを度外視した場合、良作を次々に出しているとはいうことが出来るのだが…。その1枚目が圧倒的なのだ。でも、それを超した人間がいる。それは、Common。今日は、彼の「Be」をご紹介。

05年発表。通算6枚目にあたるアルバムだ。彼の2枚目、「Resurrection」はヒップホップ史に燦然と輝く、完成度の高い1枚であり、彼がこれ以降この作品を上回る作品を世に出すことは正直不可能だと思っていた。それほどまでにすばらしい内容で、曲も粒ぞろい、アルバム全体の流れも最高であった。その作品を彼は超えることが出来たのだ。

Commonが最初に出てきたときは、ヒップホップ不毛の地から出てきたニューカマーのような捉えられ方であった。しかし、その地でNo I. D.という有能なプロデューサーに出会い、良盤を連発していくことができた。一時はクエストラブなどと組み、ニュークラシックソウル勢とつるんで作品を出していたが、またシカゴの地に戻り、そこでNo I. D.の弟子Kanye Westに出会い、さらなる傑作を残すことが出来た。やはりCommonはシカゴなのだ。あのメロウで爽快なソウルを数多く残してきたシカゴという地にこそ、Commonとベストマッチな音がある。

しかし、Kanye Westという男には感心させられる。この作品を聴くまではそんなたいした男だとは思っていなかった。しかし、この作品、John Legendの「Get Lifted」を聴いて、飛ばされた。メロウな音作りをしつつ、こんなに高度なものが作れるのか、ということに非常に驚かされたのだ。聴いていると、ヒップホップは本当に今までのソウル(特に70年代)というものを吸収しえたのだなと感じた。今までのヒップホップはソウルを利用したヒップホップであったが、Kanye Westの音はソウルを吸収して出てくるヒップホップだと感じた。その最高点がCommonのラップとも絶妙にマッチした本作だ。収録時間43分弱。まさに完璧。曲ごとの説明は不要だろう。21世紀のソウルでもあるヒップホップだ。

いやあ、褒めに褒めました。Kanye Westを。でも、それに値してるよ。それだけ素晴らしい。アングラジャジーヒップホップ連中(それにはそれのよさがあるのはまた確かなのだが)とはレベルが違うな。メジャーでやっていくだけの質の高さがある。

2007年7月 4日 (水)

Mtumeな日

Mtume 音楽の好みというものは人それぞれであり、かなりの幅を持っている。これってかなりおもしろいことじゃないかな。自分がものすごいいいと思っている音楽を友人に聴かせてみても、「ん~…」みたいなリアクションをされることも多い。これにはやはり疑問を持ってしまう。なぜ分からないんだと。しかし、実際にはAAAを愛聴している人達だっているのだ。いや、僕がいままで紹介してきた盤を愛聴している人達の100倍はいるだろう。それは、そういったものを聴いている人達がいままでに聴いてきた音楽の数が好くなく、そこまで到達していないということなのだろうか。それとも、それを一番よいと感じ取る感受性の持ち主なのだろうか。前者なら、まだ音楽という文化の将来は見える(それでも、そこでストップしていては駄目だが…)。後者なら…。どんどん音楽といったものが未熟で、稚拙なものへと変化してしまう恐れがある。そんな重い命題を考えつつ、Mtumeの「Juicy Fruit」をご紹介(実は本作mixiにおいてもレビュー済みで、それに手直しを加えつつ)。

83年発表。本作は、80年代ブラックミュージックを考える上で重要なアルバムの一枚である。それは、本作が機械によるファンクとしての一つの到達点に達しているからだ。ファンクの魅力の一つに、「間」というものがある。その点を一番うまく表現できたのがこのMtumeの「Juicy Fruit」であるということができるのだ。その独特なグルーヴ感は、よく表現される通り、まさしく麻薬的。また、年代的に生音と打ち込みの境目の時期でもあり、ドラムの打ち込みに絡むベースとシンセの演奏により絶妙な間を生み出すことに成功している。

前作の「IN SEARCH OF THE RANBOW SEEKERS」(1980)では、歌もの的要素が強いメロウファンクが多数収録されていたが(でもこっちも最高!)、その歌もの的な要素が薄れ、クールなファンクが生まれた理由にはREGGIE LUCAS、HUBERT EAVES(Ⅲ)、HOWARD KINGというMTUMEのメロウ部門の御三方が抜けたのが理由だと推測できる。REGGIE LUCASはSUNFIRE(彼らの「SUNFIRE」(1982)は「IN SEARCH OF THE RANBOW SEEKERS」を洗練させたかのような印象を受ける)を手がけ、残りの2人も80年代の歌ものを多数プロデュースしているからだ。

離脱組とは違いストイックにファンクを求めたMtumeの作品ではその間を存分に楽しみたい。タイトルトラックの"Juicy Fruit"からしてあのドラムは相当に変わっている。でも、そこに、メロウな上モノとTawathaの歌を乗せただけで、あれだけアーバンなきらめきを演出できるのだからさすがだ。本作は何度も書いているが「間」だ。それも全曲でその「間」を確認することが出来る。でかい音でかけ、ドラムのリズムに合わして首を動かしてもらいたい。そうすれば、この気持ちよさが分かるはず。

いや~、熱いレビューしちゃいました。このアルバムもこの前書いたFunkadelicと同じくらい気に入っている盤。個人的にはZapp以上にすごいと思っている80年代ファンクの頂点だ。でも以前、この盤を聴いたという知人(ニューソウル、フリーソウル系好き)が、よく理解できなかったと言っていた。それは、でかい音でかけていないことが要因の一つに上げられると思う。ファンクはやはりでかい音で聴かないとかっこよく聴こえてこない。80年代のものになるとなおさらだ。ということで、本作を聴くときにはレビューの最後で書いたでかい音と、リズムに合わした首の動きをよろしくお願いいたします。

2007年7月 3日 (火)

8Upな日

8up_1 クラブミュージックって難しい。僕のいうクラブミュージックは大きなくくりではなく、ハウス、テクノ、ブレイクシーツなどなどの総称という意味。最近、80年代初頭の音楽を聴くことが多くなっているからか、その延長線上のハウスにも興味を持ち始めている。しかし、どこから入っていったらいいのかがよう分からん。ガイドブックもソウルやなんかと比べて少ないし、やはり12inchの文化だからLPで出すものってのも数が少ないのか?そんな感じであまり手をつけられずにいたが、まあ気になったものにちょっと触手を伸ばすくらいのことはしていた。その中で気に入ったのがMoodyman、Dj Cam、Blaze、Nathan Hainesなど。やっぱり少し生音感があるものが好みみたいです。こういう雰囲気のでオススメ盤がある人、ぜひご一報を。今日は、まあ似たようなタイプの盤で好んで聴いてる8Up「Lie Down And Stay Calm」をご紹介。

94年発表の本作は、かのSoul Jazzレーベル発。悪いはずがありません。内容は、クラブミュージック色強いなぁという感じは薄く、レアグルーヴを洗練し、機械的な要素を組み込んだといった趣き。それは全編にサックスの演奏が盛り込まれているから。そもそもこのグループは、サックス奏者とプログラマーによる二人組らしい。UK産らしいクールなトラック群(パーカッションの使い方がいい!)にうまく乗っていくサックスは実に素晴らしい。1曲目のモダンジャズ調の"Rubberneckin"から期待させる。そこから後は緩急をつけて、心地良く流れていく。

やはりクラブミュージックを聴いていると、いろいろな音楽の要素が出てくる。その音楽のよさをうまく調合させ、料理したものがクラブミュージックといったものになるのだろう。やっぱり音楽好きってのは雑食じゃないとねってことで、個人的には非常に興味がある分野。いいガイドブックあったりしないかなぁ。

2007年7月 2日 (月)

どこまでも熱くFunkadelicな日

Funkadelic 最近、見始めたテレビ番組の一つに「やりすぎコージー」がある。今田、東野のあの番組だ。今から何年も前のダウンタウンが仕切っていた番組を見ていた時、今田は器用な奴、東野はいじられキャラくらいの印象しかもっていなかった。そういった番組の大喜利においても、松本、板尾、木村は光っていたけれど、二人は発想という点はどうなんだろう、という疑問を抱いていたのも確かだ(どんだけ偉いんだ俺)。しかし、コント作品においての二人の絡みは非常に高いレベルであった。それを推し進めることが出来たから、あのやりすぎにおいてのトークのうまさというものを発揮できているのだろうと思う。あの無茶な企画の数々を楽しみながら、こなしていく二人にはこれからもがんばってもらいたい。とか大好きなダウンタウンファミリーの話をしたところで、今日はFunkadelicの「Rocky Mountain Shakedown」をご紹介。と言っても、この盤はブート盤。反則技と捉えられそうだが、内容に免じてご勘弁を。

76年のライブの録音。CDという形では92年に出されたもののようだ。P-Funkのライブ盤として、まず真っ先にあがるのは「P-Funk Earth Tour」ということになるだろう。この作品は77年のライブの録音ということになるから、この作品の1年後のライブ。この年代の違いというものはさほど大きな差というものを生み出す原因にはなっていない。むしろ、一番大きな差は会場の広さ(もしくは録音機材を置いた場所)にあるといえる。「P-Funk Earth Tour」での音はいかんせん遠すぎる。観客の歓声も入りすぎだ。その点、本作のライブは完璧。近くでの録音ということが実感できる音を出しており、それにより演者たちの熱気をまじまじと感じ取ることが出来る。どの楽器の音もものすごくカッコよく響いてくるのだ。特に"Coming Round The Mountain"でのギターとドラムの絡みは失神もの。今のラウドロックなんか聴いてる連中の耳にイヤホンを突っ込みたいくらいだ。P-Funkのその圧倒的なファンクとしての力はやはりずば抜けていたものだったといことを改めて感じさせてくれる。P-Funk のアルバムの中では一番の出来。数あるライブ盤の中でも三本の指に入る必聴盤!これを聴かずしては死ねない。

かなり熱いレビューになってしまったが、この盤は絶対に聴いてほしい。その思いを込めて、改めて書いておこう。「本作は間違いない必聴盤だ!」と。

2007年7月 1日 (日)

Yours Trulyな日

Yours_truly みなさんR&Bは聴いておられるでしょうか?ソウル好きは90年代から現行のR&Bはどう捉えているのだろう?疑問はいっぱいなのだが、ヒップホップ的な要素を取り入れてから、R&Bは駄目になったということは決してないように感じられるな。逆に新たな一面を開くことが出来たのでは、と捉えてもいいんじゃないだろうか。だって、90年代以降って歌うまい人多いよ。ほんとに。70年代とかと比べると格段にうまい人の打率上がってますよ。でも、70年代、80年代のソウルもそれぞれ違ったよさを持っているから楽しい。両方、聴き続けていきたいもんです。ってこれからも変わっていくだろう。むしろ、変わらなきゃヤバイしね。今回、紹介するYours Trulyの「Yours Truly」(ジャケにはTruly Yoursって書いてあって、タイトルはどちらか不明…)はいちよR&Bってくくりです。

91年発表。90年代半ば位までにMotownから出てる男性ヴォーカルグループってのは良盤が多い。例えば、Brik Citi、Mind, Heart & Soul、For Lovers Onlyなど。どのグループも本当に歌の実力が高くて、はずしがない。少し話がそれてしまったが、Yours trulyも歌の実力は満点。しかも、音がまだ80's色強いのが、彼らに合ってます。こういう歌がうまい連中はアーバンなレイト80'sなトラックでスロウを歌わせると、無条件にいいってのが相場なんですが、彼らもまさしくそれに当てはまるということができるでしょうな。全体的にそのタイプの楽曲達で進行していくんで、流れに身をまかせましょう。

なんか、レビューというより指南書みたいな締め方になってしまいましたが、内容は折り紙付き。ブラコン好きの方なら絶対イケるはずです。ぜひ、ご賞味あれ。

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