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2009年4月

2009年4月19日 (日)

Keni Burkeな日

Keni_burke_2 先日、浅野いにおの「夜明け前/世界の終わり」を読んだ。若者の日常を少しだけねじ曲げて描いた傑作だと思った。思い返してみると、80年代、90年代にも同じような印象を与えてくれる作品があることに気付く。80年代においては大友克洋の「ショートピース」であり、90年代においては松本大洋の「青い春」である。どちらも当時の若者が主人公であり、淡々とした日常だけを描くのではなく、物語性が加味されている。そこにその作家のクリエイティビティが色濃く反映されていることに気付くのだ。ただ日常を描くだけなら誰にでもできる。ただ物語を作る場合でも突飛なことを描けば事足りる。しかし、意外性を持たせつつ、整合性を持たせようとすると、それが簡単なことではないということに気付くはずだ。先に挙げた大友、松本の作品は各人において、初期のものにあたる。この後、大友は「AKIRA」、松本は「鉄コン筋クリート」という大作を書き上げた。浅野も彼らの系譜を受け継ぐのかもしれない。でも、個人的には先の二人も初期作品の方が好きだったりすんだよね。で、本日はKeni Burkeの「Keni Burke」をご紹介。

Keni Burkeといえば、「Changes」ですか?それ正解。"Risin' To The Top"いいもんね。しかーし、77年、Dark Horse Recordsからひっそり出されたこちらも抜群の味わいなのです。幼少期からFive Stairstepsで活躍し、Stairsteps、Invisibleman's Bandと名前が変わる中でも常にグループの一員として活動してきた彼のソロデビュー作。ベーシストとしても有能で、数々のセッションに参加してきた実力は疑いようのないもので、本作でもそのベースをはじめギター、キーボードでも辣腕を振るっている。軽快なヴォーカル、メロウな音作りも特筆に価すべき出来で、アルバム通して完成度の高い出来を誇っている。ディスコなトラックながらもニューソウル的な温かみが垣間見える音作りが特徴といえ、冒頭を飾る"Keep On Singing"はその代表ともいえる素晴らしいアップチューン。続く"You Are All Mine"はシンセを効果的使った甘くてメロウなミディアム。"Give All You Can Give"も楽曲とコーラスがうまくかみ合った高揚感のあるアップチューンで、フリーソウルなどで評価されてもおかしくない出来。このメロウな音作りの才能が、80年代の「Changes」で完成をみせるといったところか。でも、個人的には初期作品の方が好きだったりすんだよね(笑)。

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