フォト

マイリンク

無料ブログはココログ

« 2010年2月 | トップページ | 2010年5月 »

2010年4月

2010年4月22日 (木)

Guruを思いながら、Gangstarrな日

Gangstarr Guruが亡くなったらしい…。Gangstarrは高校時代から長く聴き続けてきたアーティストのひとつだっただけに、非常に悲しいことだ。しかし、Gangstarrといえば、なんといってもDJ Premierの作り出す音というのが一般的な見解であり、僕自身もそのように捉えていた。たしかに、あの若干もったりしたGuruのフロウは好き嫌いが分かれるし、万人受けするタイプとは思えない。ただ、Gangstarrといえば、あのPremierの音とGuruのラップというのがパブロフの犬のように刷り込まれているのも、また確かなのだ。華がなかったGuruではあったが、自分の視点は確かであり、人脈も広かったように思える。それは、彼のソロシリーズ「Jazzmatazz」諸作を聴けば、浮かび上がってくるはずだ。初期2作では、ジャズの巨人と作り上げた非常に濃密な"Jazz Hip Hop"が展開され、後期2作ではジャズにこだわることなく多彩なゲストとの絡みで新たな一面を披露しようとしている(「Jazzmatazz II」は素晴らしい傑作だ)。そんな、自分を知る男Guruに思いを馳せながら、本日は、Gangstarrの「Moment Of Truth」をご紹介。

98年発表の5作目。Gangstarr円熟期の一枚で、個人的には彼らの作品の中で一番聴いた作品。たしか、高校のときに友達とブラックミュージックのガイドブックを作ったときもこの盤を紹介したような記憶がある(記憶は不確かだし、現物が無いのだが…)。DJ Premierによる間を生かしたサウンドは完全にマジックを生み出している。それは、冒頭の"You Know My Steez"を聴けば、すぐに合点がいくはず。それ以降も良曲が目白押し。K-Ci & Jojoがゲスト参加した"Royalty"は、Premierらしいネタ使いが光る疾走感溢れる一曲で、サビ部分でのK-Ci & Jojoの歌唱とPremierのスクラッチもはまってる。Big Shug、Freddie Foxxxら男臭い面子が揃う"The Militia"はトラックも非常に男臭くて、熱くてたまらない。やはり、ゲストがいる方が輝きが生まれるのは確か。しかし、今、なんとしても聴いておきたいのは、"She Knowz What She Wantz"。Guru自身がプロデュースを担当し、Guruが一人でマイクを握る一曲だ。甘く切ないエレピのループが曲を印象付け、ストリングスが後ろで哀しい調べを奏でるレイドバックしたトラック上では、いつものPremierの楽曲のときに比べて何倍も生き生きとマッチしたGuruのラップが聴ける。Premierのシリアスでハードな楽曲は、もっと正統派のラッパー(NasやRakim)の方がしっくりくる気がする。もう一曲Guruがセルフプロデュースした"Make 'Em Pay"もレイドバックした雰囲気があり、こちらもよくはまってる。Guruとは、自分のことをよく知っていた男だった気がする。本作の最後の楽曲名は"In Memory Of..."。R.I.P.

2010年4月17日 (土)

あんなところ転々としたいなぁと思いながら、Jerry Knightな日

Jerry_knight_2  いやぁ、ちょっとさっきまで映画見ちゃってました。しかも、食事中に親が見てた映画を一緒に見るという、Michael記事内の「フラガール」以来の珍事です!07年10月ぶりでっせ。さてさて、見た映画というのは、「転々」という邦画。冴えない大学生(オダギリジョー)が、借金84万をこしらえてしまい、そこに取立てに来た取立て屋(三浦友和)にその借金返済のため、ひとつ仕事を手伝ったら、100万やると言われるところから、物語始まる。そして、その仕事とは、取立て屋と東京を一緒に散歩するというたわいもないもの。しかし、二人の持つバックグラウンドが絡み合い、歩いていく"東京"という街の風景と小ネタをふんだんに盛り込んだ場面場面に引き込まれていく。その風景は東京に住むものにとって非常に親近感の湧くものであり、「あっ、ここあそこじゃん」なんて何回か口走ってしまった。物語自体はそんなに作りこまれたものではないのだが、先に述べたとおり、逆に場面場面の風景、小ネタなどは非常に効いており、見るものを離さない。ストーリー自体よりもディティールにこだわる姿勢はなんか僕の性分に合う。今のサブカル界隈で評価されそうだし、独特のゆるい雰囲気も絶妙だ。Photo_2 後、本が原作らしいのだが、これは映画のほうが出来がいいんじゃないか、とかってな憶測を抱いてしまう。それは、やっぱり風景なんだよね。本当にいい場所を色々と知っているな、と感心してしまうくらいいい風景が多い。僕自身も街を歩くっていう行為が好きなので、歩いているときに「ここら辺の感じいいなぁ」と思ったりするんだけど、自分が歩いていたらそう思うんだろうなぁ、という場面に非常に多く出会えた。で、監督を調べたら、あの「時効警察」を手掛けていた三木聡というお人。「時効警察」はドラマを全く見ない僕が見ていた数少ないドラマのひとつ。やはり、いい感覚してんなぁとね(どんだけ上から目線やねん)。で、よくよく調べてみたりすると、昔は「ダウンタウンのごっつええ感じ」などの制作に関わってたらしい。う~ん、やっぱ自分の感覚って、嘘つけないね。好きなものはどこかでつながっているのかもなーんて思いながら、本日は、Jerry Knightの「Love's On Our Side」をご紹介。

A&Mから82年発表のアルバム。Raydioのベーシスト兼シンガーとして参加していた御方によるなぜかあまり評価されない名盤(って言っちゃって、いいっしょ!)。プロデュースにはLeon Haywood、バックにはJames Ingram(Ingram兄弟の方)、James Gadosonと実力派が揃う。しかし、このJerry Knightという御方は、マルチプレイヤーで、プロデュース、ヴォーカルだけにとどまらず、シンセ、ピアノ、ギター、ベースと多くの楽器を一人でこなしている。こういうマルチプレイヤーの作品って、「器用貧乏で…」みたいに言われるけれど、個人的には好きなものが多い。本作もご多分に漏れず、僕の耳、心を存分に刺激してくれる一枚と言えよう。まずはなんといっても、"I'm Down For That"!80年代前半らしい、キレのあるダンスナンバーで、軽快なカッティングギターに高揚感のある歌メロがもうなんとも言えない一曲。続く、"Nothing Can Hold Us Back"は心地よいメロウなミディアムで、サビ部分での甘いコーラスとリードの熱い絡みはやはりソウル好きは反応せずにはいられない。その次を飾る"Brand New Fool"も見逃せない良曲で、AORテイスト漂うメロディラインがひたすら風通しのよいメロウミディアム。とここまでの楽曲はすべてA面で、Leon Haywoodが手掛けたもの。続くB面がセルフプロデュースによる楽曲群。悪くは無いのだが、やはり出来は落ちるなぁ(でも、熱く歌い上げる"Do You Really Mean It?"とかは好きよ)。プロデュースを全編Leon Haywoodに任しておけば、真の名盤として語り継がれていたのかもしれないのだが、そこで何でも出来る自分の力を見せたかったという点に器用貧乏さが出てしまったのかなぁ。歌もマイルドで個性はあまり無いのだが、ある程度の声量はあるし、なかなか好きなタイプのシンガー(特に80'sサウンドにはこの手の声が合うと思う)だし、もう少し評価されてもいいんちゃいまっか?ちなみに、CDは廃盤でかなり高いっす。レコも結構珍しいんだが、安値で転がっているトコもあるはず。

2010年4月 2日 (金)

楠勝平読んで、聴くのはWarな日

War_2  少し前に、ちょっと体調悪い日が何日かあって、改めて健康は大事だなって思いました。年齢は25を越えたし、最近は酒飲んでも抜けが悪いんだよなぁ…。昔は風邪ひいてても酒飲むくらいの勢いだったんすけどね。でも、体調悪いとメンタルもしょげてくるのがいかんなぁ…とね。でも、そんなときに折よく(ってよかないわな)、体調悪い人の漫画を読みまして、それがすこぶるよかったので、この場で紹介しようかなと。楠勝平という作家の「 彩雪に舞う…」という作品。この人は一般的に知名度が低く、僕も買うまでは全く知らなかったのですが、いわゆるガロ系の作家。なぜ、体調が悪いかっていうと、この人自身がずっと病を患っていて、30歳という若さで亡くなっているからというところからです。この本は、その楠勝平が残した良作17作が収められた決定版ともいうべき内容。前半の時代物の出来はまあまあなのですが、本人の病が重くなってきたであろう後半の作品には、自分に内在する色々な辛さというものにどう向き合うかという重いテーマが主軸になってくる。 Kusunoki_shouhei 内容を考えさせるものが多いこともさることながら、非常に印象に残る強烈なコマの描き方も秀逸で、この二つが交じり合うことで重厚な作品として完成しているように思う。個人的には、唯一長編として収録されている"ぼろぼろぼろ"に圧倒された。一度読み終わってから、もう一度すぐに読み返してしまったくらいだ。Kusunoki_shouhei2_2 言葉の一つ一つに重みがあるし、出てくるキャラクターの人物像も十人十色で、色々なバックグラウンドを持っており、それが物語と密接に絡み合ってくる。そしてそこに出てくる人物の考え、言葉、行動などを自分に当てはめて考えてしまうんだよなぁ。僕に非常に強いインパクトを与えてくれた作品でした。3000部限定とはいえ、まだまだ古本屋に出回ったりしているので、見つけたら是非一読を。ってな暗めな漫画の後には、ファンキーな音楽をっちゅーことで、Warの「The Music Band Jazz」をご紹介。

83年発表のアルバム。Warの「The Music Band」シリーズ最終作。70年代から活躍してきた他のファンクグループが80年代を迎えるにあたり、多くのテクノロジーを導入していったのに比べ、このWarというグループは生音というものに非常にこだわっており、その最たる例が前出の「The Music Band」シリーズになる。中でも本作は、83年のファンクとして捉えるには異色中の異色ともいうべき重厚な生音グルーヴを奏でている。そのコアに置かれたテーマは『Jazz』。歌モノも含めジャジーな楽曲が並ぶ本作は、そのどれもの完成度が非常に高い。もともと、Warというグループはジャズ、ラテン、ロックといった多くの要素を持っていただけにこういったものはお手の物といったところか(だから、Loftとかでも評価されたんだろうな)。冒頭を飾るのは個人的にも大好きな"Five Spot"。強烈なベースとアフリカンテイストなドラムが核を占め、サックスのソロ主体で展開していく非常に重厚なダンスチューン。続く、"Half Note"は、本作のテーマである『Jazz』に最もシフトした一曲で、スピリチュアルジャズファンクといった趣。しかし、タイトなドラムとベースが行き交い、緊張感を演出したこの曲は、凡百のスピリチュアルモノと一線を画す内容に仕上がっています。B面頭の"E.R.A."は平均的なファンク曲といったところか。気を取り直して望む最終曲は、14分にも渡る"Koronos"、"Sometimes I Wonder ( Is It For Real )"、"A Pattern Of Time"という三部構成からなる壮大な音楽絵巻。物憂げなベースラインとピアノが曲の根幹を作り上げ、歌を絡めて強弱でうまく展開を作っていく流れは圧巻で、全体的にスピリチュアルな雰囲気を醸し出している。83年という時代としてはまさに奇跡の音。レアグルーヴ、Loftファンには是非手に取っていただきたい一枚です。WarのLPの中では最もレアリティがあるとはいえ(といっても、たぶん2800円くらいかな)、一般的にまだまだ知名度が低く、安値で転がってることもざら。これは、買いっ!

« 2010年2月 | トップページ | 2010年5月 »