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Hip Hop(Underground)

2008年12月17日 (水)

J Dilla、いやJay Deeを懐古しながらIlla Jな日

Illa_j_4 いやぁ、もう12月。一年早いもんすね(この言葉、20代になってから言うことが急に増えたよね)。今年は身辺がいろいろと移り変わった一年だったけど、それでもこんなに早いと感じてしまうのはなぜなんだろうなぁ。でも、こんなシーズンだからこそ旧友との再会なんかもあるわけで、この前高校時代に一緒に麻雀に明け暮れた仲間達と数年ぶりに再会しました。当時、僕らは学校終わりやら途中で学校抜け出したりして、近くにある雀荘に入り浸ってたんですよね。あの頃そこに集まってたのは、基本的には集団が嫌いなひねくれもん(決してワルとかじゃない)で、でも寂しがり屋なやつらだったように思う(自分も含め)。まあ、そんな寂しがり屋なやつらだからこそ、こんな寒くなってきた師走にすっごい久しぶりだけど連絡なんか取っちゃうもんで。それで会ってみると、これが少しも変わってないんだよなぁ、みんな。で、会ってない数年間の山あり谷ありの個人個人の波乱万丈伝を聞いたり。なかなかよい集まりだったなぁ、と感じることが出来ました。でも、時の流れって不思議だよなぁ。一年は駆け足で何年も過ぎてゆくのに、数年ぶりに出会った旧友は変わらずにいる。でも、昔聴いて感動した音楽を今かけてもまた同じ音色を鳴らしてくれんだよね。そんな音楽の中で、新譜ながらも昔を懐古させてくれるIlla J「Yancy Boys」をご紹介。

08年発表のアルバム。このIlla JはJ Dillaの弟で、本作はJ Dillaが生前残した音源にラップを載せたというちょっと感動的な一枚。Illa J君のラップはなかなかで、歌を混ぜるとこなんかは期待が持てそうな感じ。が、なんといっても気になるのはJ Dillaが残したというトラック。J Dillaの音源といえば、地を這うベースに絡む隙間のあるドラムと浮遊感ある上ネタという印象が個人的には強い。でも、本作のトラックは作られた期間が95~98年ということらしいので、Pharcyde「Labcabincalifornia」からA Tribe Called Quest「Love Movement」の間ということになる(つまりは、Jay Dee時代だ)。このアルバム2枚は高校時代から擦り切れるように聴いた愛聴盤といこともあり、少し考察してみよう。まず、この2枚の間にJay Deeの音作りはかなり進化したと思う(どちらがいいかは別にして)。「Labcabincalifornia」時代はメロウで浮遊感のあるネタ使いという特性はあったもののドラム、ベースに関しては当時のヒップホップの流れを踏襲したものになっている。しかし、「Love Movement」の時代になると先ほど述べた特徴が現れ始めのだ。そして、この間に作られたという本作のトラックの数々にはこの両方のタイプ(それに加え、これ以降っぽいトラックが数曲ある気がするのは僕だけでしょうか?)が点在する。冒頭を飾る"Timeless"、"We Here"、"R U Listenin'"の3曲はJay Deeらしさが確立された「Love Movement」以降のような音色。"Showtime"、"Swagger"、"Illasoul"辺りは「Love Movement」で出始めたタイプのトラックの印象。他は「Labcabincalifornia」から「Love Movement」の間に見られるメロウで浮遊感のあるネタを生かしたトラックといった感じ(浮遊感メロウ系は「Love Movement」にも多いしね)。三者三様で、どのタイプのトラックにも充分すぎるほど魅力が詰まっている。でも、遺作である「Donuts」でサンプリング回帰な音作りをしていたのは、Jay Deeの原点がそこにあるからなのだなと再確認できた気がした。"Alien Family"、"Mr. Shakes"、"Everytime"、"Air Sings"というトラック群はなんて暖かくメロウなネタ使いをしているんだろう。過去にUmahの作り出す音が無機質だといわれたことが信じられない。深いソウルを持ったJay Deeの新しい音を聴けないっていうのは少し寂しいな。

2008年3月29日 (土)

パリでOhmega Wattsな日

Ohmega_watts そんな古着の買い物も済んだら、気になってくるのはやっぱりレコード。しかも、安い古着屋がある地域っていうのは、近くにもレコ屋があったりするはずって勘が働くわけです。てな具合で、辺りをふらふらと歩いていると、ほら、ありましたよ、レコ屋さんが。しかも、看板には「SOUL R&B HIP HOP」ってな文字が書いてあるわけです。これは、期待が膨らまないわけがない。店に入ると、そこは黒人の店員さんが一人でやっているお店。流れているのは今風のR&Bだったかな。でも、やっぱり看板に書いてあるだけあって、ソウルの古いレコも結構ある。で、値段はどんなもんなのかと、ふと壁を見てみると、「3枚20EURO(3200円くらい)」との張り紙が!これは、安い!!一枚換算で1000円ちょいで買えるっていうのは十分に僕の守備範囲内ですわ。ってことで、ひたすらDig!Dig!!Dig!!!(こういうところが、やっぱりレコ掘りの醍醐味だよね)そうすると、Fatback Bandの「Yum Yum」やBrainstormの「Funky Entertainment」やらがお目見え。これは、期待できるとがしがし掘ってくと、黒人の店主が「Oh~、Nice Select」みたいな感じで囃し立ててくる。気分も乗りながら6枚を掘り起こして、「これで6500円は安いな」とか思いながら、会計に持っていくと、店主がなにやら裏を見始める。「んっ?!」と思って、見てみると、裏側に30EUROなどの値札が…。あせって、「3枚20EUROじゃないの?」と聞くと、「それは、シングルだよ」とのお返事。よ~く張り紙を見てみると、「Maxi」の文字が…。かなり慌てつつ、「じゃあ全部でいくらになるの?」と聞いたら、なんと120EURO(19200円)?!そんな額ではさすがに買えないから、「それは無理」と言うと、すぐに「90EURO(14400円)」と切り替えしてきたが、僕の中では8000円くらいが限界だったので、「こりゃキャンセルしかないな」と決定。でも、そのときにもう一人黒人が入ってきて、僕の肩に腕を乗っけて、「80EUROにしてくれって言っちゃいなよ」みたいなことを言ってきた。その店は、僕が見ている最中にも警官が入ってきて、店主と話してたりとなんか怖そうだったので、さーっと血の気が引いていく思いが…。やっぱり外国は何が起こるか分からないから、このまま猛ダッシュで店から出るかなとか一瞬考えたが、やっぱり買えないということをゴリ押ししようと決心。そこで、「I Have Little Money」とかをひたすら繰り返していたら、向こうも納得してくれたようだった。最後にDj Revolution(西海岸アンダーグラウンドヒップホップのDJ)のフライヤーをくれて、ようやく店を出ることが出来た。ってな修羅場を切り抜けたところで、今日はロンドンで購入したOhmega Wattsの「The Find」をご紹介。

05年発表のアルバム。一応、レコでも以前から持っているんだけれど、やっぱり海外で買った盤を紹介せなってことで、CDで買いなおした本盤を。Ohmega Wattsっていうと、知ってる人も多いかもしれないが、西海岸アンダーグラウンドのヒップホップグループLight Headedの一員。西海岸のアンダーグラウンドヒップホップシーンっていうのは、結構良質なグループが多く、彼らのほかにもPeople Under The StairsやUgly Ducklingなんかの名前はすぐに挙がってくる。話をLight Headedに戻すが、彼らは非常にソロ活動も盛んで、Othello、Braile、Muneshine(彼のみカナダ在住で、1st発表後にメンバーから脱退している)の全てのメンバーがソロアルバムを発表しているという精力の出しようだ。彼らの音楽性は、先に挙げたPeople Under The StairsやUgly Ducklingにも通ずるファンキー&メロウ。そんな彼らの作品の中でも、特にレベルが高いのがOhmega Wattsのソロ一枚目である本作だ(続くのは、Light Headedの一、二枚目やOthelloの諸作か)。その理由は、最近のジャジーヒップホップにありがちな薄いビートというものが少なく、全体的にファンキーで力強いドラム音が聴けることにある。そのドラムが、ファンキーなベースやメロウな上ネタと絡み合い絶妙な化学変化を起こしているのだ。ここまで、レベルが高い作品が生まれた理由には彼の所属しているレーベルがUbiquityということが影響しているかもしれない(ここから出る作品は、ヒップホップにしろクラブミュージックにしろファンクにしろ、それぞれが非常に高いレベルの作品に仕上がっている)。曲単位でいくと、ぶっといドラムにLight Headed、The Procussionsの面々とマイクリレーする"That Sound"、盟友Othelloをフューチャリングし、哀愁漂うトラックで掛け合う"Long Ago"なんかがオススメ。しかし、このアルバムは、トータルでレベルが高く、一枚通して聴いてもらいたいかな。最近こう思えるヒップホップアルバムが少ないだけに貴重な一枚。

Paris さっきまでの興奮がそんなにすぐに収まるわけもなく、街を夢遊病者のようにふらふらしていたが、さっきまでの出来事をメモ帳に書いておこうと、大きな広場に座った。そこは、大道芸をやっていたり、カップルが座っていたりと、ちょっとした名所になっているらしく、僕が一人で座っていても、違和感が無い感じで、ようやく落ち着いてきた。そこで、レコード屋で起こった事件(というほどのものでもないが、僕にとってはかなりハラハラもんだったんです)をメモ帳に書いていく。少しすると、フランス人が一人近づいてきて、写真を撮ろうとしているから、場所を少し変えようか、と立ち上がると、「No~No~」という声が。何のことだろうと思っていると、「君を撮ってもいい?」と聞いてきた。まあ、撮られてまずいこともないので、「OK」と答えて、そのままメモ帳に書き続けていると、何枚か写真をパシャパシャと撮られた。そして、知らないうちにどっかへ消えていた。きっと、ちょっと寂しげな東洋人が漢字を書いているところでも撮りたかったのだろうと、無理やり自分を納得させた。ってとこで欧州旅行記四日目は終了。写真は、パリの郊外の風景。なんか日本とは違って、落ち着いた雰囲気があって、やっぱりいいな。これに比べると日本の家ってね…。まぁ、機能性はあるんだろうけどさ。

2008年1月19日 (土)

Arts The Beatdoctorな日

Arts_the_beatdoctor いやぁ、ようやく買えましたよ、新しいアンプを。ヤフオクでかなり粘って、7001円で落札することが出来ました。サンスイのA-α7というモデルです。古いアンプが壊れてからしばらくは、意気消沈気味だったんですが、ヤフオクでアンプを探していると、「あらっ、案外楽しいな」と思えてきまして。どうせ買い換えるなら、やっぱり安くていいものが欲しいということで、色々とネットなんかを調べているうちにはまっちゃいました(笑)。このサンスイのA-α7というモデルはKENWOODのKAF-5002なんかと並んで、安価でも結構気張ってくれるアンプらしい。まだ、家には届いてないんだけど、音がどう変わるのか今からかなり楽しみです。でも、アンプをいままでのものより上等にした場合、スピーカーは今のままでいいのか、という疑問が湧いてまいりまして、今は若干スピーカー探し気味です。このまま行くと、音響マニアへの大人の階段上っていくのかもしれません…ってそれはないな。レコ、CD買ってると、音響機器にまで手を伸ばせないのが現状ですから(アンプ壊れ中に何枚のレコとCDを買ったことか)。まっ、新しいアンプを楽しみに待ちながら、今日はArts The Beatdoctorの「Transitions」をご紹介。

07年発表のアルバム。個人的にはメロウ&ジャジー系アングラヒップホップの最先端は今ここにあるのかなと感じた一枚。トラックの質感という面において、非常にクラブ寄りの音に聴こえた。これは、Arts The Beatdoctorの出身地が欧州(オランダ)ということも関係するのかもしれないが、単純にヒップホップというよりクラブミュージックというフィルターを一回通っているかのような感じを受ける。90年代にはJungle Brothersが「V.I.P.」においてビッグビートのアーティストであるPropellerheadsのAlex Giffordにプロデュースを依頼したりと、クラブミュージックとヒップホップの融合を目指すという動きがあったことは確かだが、こういった事例はあまり成功には結びついていない。しかし、アングラヒップホップシーンではDj ShadowやDj Krushなどがヒップホップをインストで聴かせるという新たな手法により、クラブミュージック側に歩み寄りをみせていた。こういった動きが活発化した2000年以降には以前も紹介したNobodyやFive Deezなどがクラブミュージック寄りの新たなヒップホップを作り上げているように感じた。そして、07年に登場したArts The Beatdoctorの本作はこの流れの延長線上にある作品といって間違いはないと思う。その冷たい質感のトラックはFat Jon(Five Deezのトラックメイカー)との類似性も感じるが(日本語解説にはSound Providersとの類似性が語られていたが、絶対Fat Jon寄りだと思う)、彼よりもさらにクラブミュージックに歩み寄ってると感じる。むしろ、そういったクラブミュージックとヒップホップの融合はどうすべきかやヒップホップはこうあるべきという考えなどはなく、彼の内側から出てきた音楽がこれなのかもしれない。さて、多分に推測じみた講釈をしてしまったが、本作の内容が良いことは間違いない。ジャジーなクラブミュージックのような音の質感はひたすら心地良い(でも、冷たいって批判もあるのかも。昔のUmahhへの評価みたいな)。しかも、ラップを乗せてもかっこよく聴こえるんだから素晴らしい。今後も注目なアーティストであるArts The Beatdoctorの傑作デビューアルバムだ。

それにしても、最近はオーディオを持っている人って少ないですよね。YAMAHAに勤めている友達がいるんだけど、そいつなんかラジカセすらないからね…。もう、外ならI PODで、家にいるときはパソコンが主体ってなっちゃうんだろうなぁ。レコードを聴いてる人とかは必然的にオーディオが必要になってくるけど、CDで聴いてる人はそんな必要ないもんね。いや、最近はダウンロードか?!場所をとって邪魔っていう見方もあるかもしれないが、オーディオっていい音で音楽が聴けるってだけじゃなくて、そのものに愛着が湧くし、非常にいいものなんだけどね。まあ、現代人がものへの愛着がどんどん薄れていってる象徴なのかも。なーんて、社会派気取ってみたり。

2007年10月26日 (金)

Giant Pandaな日

Giant_panda 音楽好きなのに、こんなことを言ったらひかれるかもしれないけど、僕はあまり歌詞って気にしていない。よく聴くソウルなんかは、英語だから何言ってるのかよく分からない(勉強しろよ)けど、Jポップを好んで聴いていた昔から歌詞ってのには無頓着だったな。歌は人間の声っていう楽器だって意識が強いから。でも、おもしろいこと言ってんなって歌詞はやっぱあんだよね。日本のヒップホップのキリコとかさ。「俺のヒップホップはストリートとはなんの関係もねぇ」とか、結構「ふ~ん」とか納得しちゃう部分が多い。でも、別に音楽的には良くないんだよね。ラップも言葉詰め込みすぎでなんかさ…。歌詞は詞としての価値はあるけれど、音楽的な価値は低いっていうのが持論なんです。音楽は音だからね。だから、一番気持ちよく聴こえるならば、でたらめな言語でもいいと思うのよ。それが音を楽しむって事でしょ?ってな自分勝手な理論を構築しつつ、今日はGiant Pandaの「Fly School Reunion」をご紹介。

05年発表。レーベルはPeople Under The Stairsが絡んでいるTres。なんかPeople Under The Stairs本隊よりも、彼らが絡んでいる他のグループの作品の方が名作多いと思うんだよね。って話が横道にそれたが、このGiant Panda、おもしろいところはDJ兼ラッパーとして日本人のChikaramangaという人物が参加している点。彼が作るトラックにはキレがあるし、ラップも日本語で行っている為、他の英語のラップと変化が付けられていて、聴いてて一つの特徴となっているといえる。音楽的にはPeople Under The Stairsのようにファンキー&メロウ。Chikaramangaが手掛けた疾走感のある"One Time"は名曲。ファンキーさに重点を置き、メロウな味付けをしたトラックはビターなチョコレートのように甘くなりすぎず、ちょうど良い塩梅。ラップもトラックに合った疾走感があって、気持ちが良い。また、レイドバックしたメロウチューン"Classic Rock"も哀愁感がうまく表現されている名曲。その二つの楽曲ともにChikaramangaがラップしてるんだよね(彼がラップしない曲もあり)。やっぱり彼の日本語でのラップが一つアクセントになっているから、曲としての面白さを一回り大きくしているのだと思う。Chikaramangaの実力を存分に感じることが出来る本作はアングラヒップホップの名盤といえるはず。

いやぁ、でも歌詞っていうのは本当に気にはなるなぁ。歌詞も知らずに音楽聴いてていいのかっていう葛藤に悩まされるよ。でも、日本の音楽番組なんか見てると、どの曲の歌詞気がするわ。そんなことからも、歌詞なんてもんはろくでもねーもんだとか思っちゃうわけよ。まっ、歌詞は歌詞、音楽は音楽っつーのが僕の結論ですわ。

2007年10月11日 (木)

3582な日

3582 いやぁ、今日は久しぶりにアルバイトやってきました。で、その久しぶりのバイトでミラクルが!基本的にはレジに入って暇にしていたんだけれど、カードで買い物をするお客さんが一人いた。ふとName欄を見ると、見覚えのある名前が。それは僕が愛読している漫画家の一人「泉晴紀」だった。「久住昌人」とのコンビ「泉昌人」名義で名作を多く残している作家だ。「ダンドリくん」「新さん」なんかは、たわいもない普通の人間の普通の日常が面白く書かれている名作。マンガの中にも吉祥寺や三鷹の街並みが多く出てくるから、ここら辺の人だろうと思ったが、まさかうちの店に来るとはね。ちょっと緊張しながら、対応していたんだが、声をかけようか非常に迷った。以前にも人気お笑い芸人の「ハリセンボン」の「はるか」なんかのレジ対応したけど、声かけらんなかったもんなぁ。そんな、ことが頭をよぎったが、ここは好きな作家ということで、声を振り絞って、「漫画家の方ですか?」と。そしたら、「あっ、ご存知ですか」って来たんで、すかさず「泉昌人さん名義の作品いっぱい持ってて、大好きなんですよ」と言ったんだが、相手は微妙に「はぁ」と。うおっマズったかと思ったんで、「応援してるんで、頑張ってください」と超ベタな締めをしてしまいました。対応失敗したかなぁ。泉晴紀名義でもマンガ出してるから、そっちに絞った方が良かったか、なんつー考えなんかが頭の中を行ったり来たり。まあ、でも言いたいことは言えたからいいのさ。ってな感じで、今日は3582の「The Living Soul」をご紹介。

01年作。レーベルはアングラジャジーヒップホップでは草分け的存在のドイツのGroove Atack。この3582はFive Deezでの活動も有名なFat JonとLone Catalystsに所属するJ. Rawlsの二人組。二人ともにトラックメイキングでは評価が高い。本作での曲作りの比重はFat Jonが4曲で、J. Rawlsが7曲。The Living Soulというタイトル通り、お互いに暖かみのあるソウルフルなトラック作りが得意ときているので、アルバムを通してのブレは感じることは出来ない。しかし、一方ではイージーリスニングな生ぬるいトラックという評価もあると思う。それは甘んじて受ける。しかし、それのどこが悪いのだと言いたい。この音を気持ちいいと言うことは決して間違いではないのだ。ここから革新性、実験性というものは感じ取ることが出来ない。しかし、最高にメロウで気持ちいい。ずっと聴いてる気にはなれないが、また聴きたくなる。こんな音楽があってもいいと思う。"What Could Be"を聴こう。単純だけど、最高に暖かいじゃないか。この曲をもう何度聴いたか分からない。それくらい聴いたってこと。全編同タイプの構成。こういう音楽の方向性も決して間違っているとは言えないはずだ。最高に良く出来たイージーリスニングを聴こう。

うちのお店、全然流行ってないのに、結構有名人は来るみたい。ストレイテナーの人やズボンズの人なんかも(あんま詳しくないから、よう分からんが)。でも、今回来た泉晴紀はたぶん僕しか分からなかっただろうな。ナイスタイミングです、晴紀さん。吉祥寺最高ですよね?

2007年9月14日 (金)

Panaceaな日

Panacea 最近のテレビを見ると、ちょっとした変化を感じます。それは、「かわいさの概念が変わってきた」ということ。それを強く意識したのは蒼井優。最初、あれを見てかわいいって思えなかった。僕はもうおっさんなんでしょうか?確かに、今年の夏、熱闘を繰り広げた高校球児たちとは、もう4つも年が離れてる。僕が中学でX,Yと悪戦苦闘しているときに、彼らは青鼻たらしながら外を走り回っていただろう。その若いニューウェーヴたちのかわいさの概念では直球ど真ん中なのかなぁ。でも、このまま時代に一矢も報いず遅れていくのは嫌だと感じ、蒼井優が出たらテレビを凝視!この研究結果から彼女はかわいいんじゃなくて、かわいらしいのではという考えが生まれた。なんというか、雰囲気がかわいいみたいな。この結論じゃ駄目でしょうか?新たな見解求む!んな感じで、今日はPanaceaの「Ink Is My Drink」をご紹介。

06年発表。レーベルはTime Machine関連のGlow-in-the-Dark。音楽性も彼らと似ていて、ソウルフルな音を好む傾向にある。有名なプロデューサーでいえば、9th Wonderなんかを思い浮かべてもらえればいいかもしれない。この手の音は一昔前に流行ったけど、あまり個性などを感じることは出来ない。でも、やはりソウル好きな面々はその暖かい音には逆らえず、聴いてしまう。そんなときに良い悪いの判断基準になるのはやはり音の完成度とネタ使いのセンスに他ならないだろう。このPanaceaはそれを感じさせてくれるグループたり得ている。例えば、"Ecosphere"だがこのサビ以外で使われているメロウでかわいらしい上ネタはもう玉らん(byTerry Johnson)!こういったソウル好きの触手が伸びそうなトラック盛りだくさん。他に挙げるなら、"PULSE"や"These Words"辺りかな。後者ではもうサビで歌っちゃってます。また、最終曲の"Starlite"はその他のトラックとは少し毛並みが違い、次への飛躍も感じることが出来る。ソウルフルなアングラヒップホップ名作。

いやぁ、でも、雰囲気ってのは超重要なワードかも。新垣結衣もあのポッキーのCMだと何倍もかわいく見えんもんな。その点、アベレージでかわいさ表現できてんのは相武紗季かな。ってなんでこんな芸能評論みたいなことしてんだっつーの。ちなみに、僕が好きなCMは高橋マリ子が出てるニッセンのやつです。はい。

2007年9月 6日 (木)

Starving Artists Crewな日

Starving_artists_crew 一昨日の記事の余波で、今日も45人来たなぁ。てか、そんな良かったかな、この前のリンカーン。個人的にはあのウリリン滞在記っていう企画よりも、どんだけぇ~の泉の方が好きなんだよね。あれこそ、芸人らしい企画だと思うけどなぁ(リンカーンのコンセプトは「芸人の芸人による芸人のための番組」だったと思う)。おもしろいし。前も書いたけど、僕はお笑いの番組では芸人力が出る企画が好きだ。例えば、大喜利。あれは、本当に笑いの格闘技的要素が一番発揮されていると思う。発想力勝負っていうのがいさぎよい。場の空気によって、かぶせなどしていくところも、実力が試されるだろう。しかし、そんな大喜利を本当の格闘技に仕上げた大会(番組)がある。それは、「ダイナマイト関西」という大会だ。1対1の大喜利で相手の持ち点5ポイントを先に消した方が勝ちというシンプルなもの(ポイントが消えるかどうかは、大喜利の内容の良し悪しで審査員三人の多数決で決められる)。これは、ストイックに笑いを創り出していくところがカッコイイ。実際、おもしろいし。2007年大会の予定などは書き込まれていないけど、行われるなら非常に楽しみだ。そんなお笑い好きな一面を見せつつ、今日はStarving Artists Crewの「Up Pops The Sac」をご紹介。

04年発表。レーベルはアングラヒップホップ名門のFatbeats。ファースト12inchである"Artisty Original"(プロデューサーはPeople Under The StairsのThes One)がヒットし、出されたアルバムが本作「Up Pops The Sac」("Artisty Original"は未収録)。このStarving Artists Crewっていうグループも、People Under The Stairsあたりのただただジャジーなだけではなく、ファンキーさやラップの掛け合いの楽しさなどを兼ね揃えている。しかも、そのレベルが高いのなんの。僕個人としては、持っているPeople Under The Stairsのどのアルバム(1~4枚目)よりもいい出来してると思うな。それはどこから来てるかといえば、ネタ選びのうまさとドラムの太さ、そしてラップの魅力の高さってところに起因しているんじゃないかと思う。その要素がもっともうまく出た名曲が"The Kick Clap"だろう。この洗練されたジャズのネタ、ぶっといドラム、ラップの楽しさ、どこをとっても完璧でしょ。また、レイドバックした"The Promise"なんかの心地良さにはたまらないものがある。こうした良曲がところせましとアルバムを埋めているんだから、恐れ入る。アンダーグラウンドヒップホップのアルバムは結構注目して昔から買っていたが、本作はベスト10には入るんじゃないかな。それだけいいです。でも、解散してしまったらしい…。

大喜利企画は個人的に大好きなのだが、あれだけが笑いの表現方法ではないよな。出川とかだって出川なりの良さがあるわけだし。笑いって難しいね。でも、笑いって大事だよね。

2007年8月19日 (日)

Nobodyな日

Nobody いやぁ、さっきまで日本テレビの「Music Lovers」という番組を見ていまして。しかも、自分があまり専門ではないJポップの音楽番組なのに2週連続で見ている次第。その理由といえば、単純に自分が好きなアーティストが出ていたから。今週は中島美嘉で、先週がCrazy Ken Band。先週のCrazy Ken Bandはやっぱりソウル好きとして押さえておきたいところだけど、今週の中島美嘉が好きって言うのには疑問を抱く人がいるかもしれない。でも、あのゆらゆらしたかすれ気味の声とあの独特な容姿はちぃと好みなんです。しかし、今回の番組内ライブでも過去の曲には満足したけど(歌は少し不安定な感じもあったけど)、最新のはどうも…。なんかJポップ臭の強い歌メロに、音も全然良くなくて…。あの唯一無二の声を持っているのに、制作陣に恵まれていない感がします。でも、人は試行錯誤の時も必ず必要なはずで。迷った末に答えを見つけ出したNasみたく完全復活を遂げてもらいたい訳です。そんな今日は、中島美嘉とは相当にかけ離れた位置にあるであろうNobodyの「Soulmates」をご紹介。

00年発表。レーベルはコアだが良質な音源を出しているUbiquity(Ohmega WattsやBreakestraなど)。本作を聴くと、ヒップホップという音楽の概念はどこまで広げうることが出来るのだろうという疑問を抱かずにはいられない。インストゥルメンタルという形もその疑問を抱く要因に挙げられるのだろうが、それだけではないものがこの作品にはある。それが、この暗く壮大な世界観を感じさせる音の数々にあると気付くのは容易かもしれない。そして、これをヒップホップとして受け入れてよいのかという疑問を抱くのだ。感触としてはレアグルーヴとして評価されているDorothy Ashbyの作品なんかに近いが、実験性が強いため一つの型には納まっていない。インストゥルメンタルヒップホップの作品としては、Five DeezのFat Jonなんかが有名かもしれないが、ああした心地良いメロウなループが主体となる気持ちよさを追求した作品とは意味合いが異なるように感じる(どちらがよく、どちらが悪いといった意味ではなく)。本作は、サンプリングという手法を駆使して、幻想的な世界観を構築することに主体を置いている。その黒さを感じさせない上ネタ使いは、Nobodyが白人であることに起因しているのではないだろうか。白人特有のヒップホップの捻じ曲げ方というものは、EL-Pの作品などからも感じ取ることが出来るからだ。そんな本作の中でも屈指の出来であると感じるのは"For Those Who Never Dream"、"Outbreak(Extende Solo Version)"、"Sixth Sense"の3曲。Nobodyという男の世界観を存分に味わってもらいたいところだ。ラップ入りの曲が数曲存在するが、Nobodyの世界観をうまく表現しているとは言いがたい。インストゥルメンタルのみにしてもらいたかったという不満は残るものの、本作が重要作であることに変わりはない。ちなみに最近ではジャケ違いの再発も出ている。

中島美嘉について書いて、Nobodyについて書く。なんか頭がこんがらがってくるね。でも、その両方とも自分がいいと思う音楽。そこは変わらないんだよな。人間の感性って、つくづく不思議なもんだなって思います。

2007年8月15日 (水)

The Foreign Exchangeな日

The_foreign_exchange 今日、いとこに会ったら1年半でレコード(レゲエの7inch)を1000枚購入したと言っていた。ワオ、すごい。これは僕をも超えるハイペースだといえます。なんだかんだいって僕のレコード&CDの所有数は4500枚程度。しかもこれは本格的にレコード&CDを購入し始めてから、7年近く過ぎての記録なんで、いとこのスピードは改めて考えても驚異的。でも、いとこの所有するレコードのほとんどはシングルで、僕はアルバムっていう違いはあるんだけどね。でも、ここまでいくと、まず整理ってもんが怪しくなってくる。大体は棚やダンボールを使って処理しているのだけれど、そこから漏れたR&BのCDは確実に床を侵食していっている次第…。さらに僕のよくないところは他にも漫画や服といったかさばる趣味があるところ。部屋はどんどん侵されていきます。このデータ時代とは完全に逆行する僕はやはり現代になじめていないのかもしれない。う~ん…。そんな悩みを抱えながら、今日はThe Foreign Exchangeの「Connected」をご紹介。

04年発表。良質アーティストを多く抱え、良い企画のレコードを連発していっている現代では最も信頼を置けるレーベルの一つbbe発。ヒップホップという音楽は広く世界中に広がっているとはいえ、オランダからもこんな新進気鋭のアーティストが出てくるとは思ってもみなかった。そのアーティストとはこのThe Foreign Exchangeにおいてプロデュースを手掛けるNicolayという人物。確実にJay Deeに影響を受けたと思われるスペイシーな音作りはPlatinum Pied PipersのWaajeedなんかと並び、新たなヒップホップの分野を構築して言っているように感じる。やはり本家本元のJay Deeの重いドラム&ベース使いという部分には到達していないが、逆にその軽さ(よくいえばPOP感)が彼の音の特徴となっているのも事実だ。また、相棒のPhonte Colemanはこれまた今注目されるプロデューサー9th Wonder(こいつはソウルネタを活かす音作り)が所属するLittle Brotherの一員。このかなり注目のコンビが放った本作はやはり注目すべき作品であることは間違いない。スペイシー浮遊感機械音の渦に飲み込まれていくのも結構オツなものだな。全曲通しで聴いてもらいたい1枚。

収納って本当に難しい問題。溢れ出るレコード、CD、漫画、雑誌、服はどこへと大移動していけばよいのでしょうか。このままいくと、自由に使えるスペースはベットの上だけってことになっちまいそうです。あわわ…。

2007年8月 3日 (金)

Walkin' Largeな日

Walkin_large いやぁ、音楽マニアっていうのは食費を削ってまでも、レコードを買う訳で。僕ももちろんやってました。高校時代は弁当で、食費ってもんはもらえなかったんだけれども、浪人時代は予備校の昼食代として1日600円もらってたんですよ。バイトもやってなく、月のこづかいだけでは買えるレコの量もたかがしれてるので、昼食は60円のコンビニのドーナッツオンリーにして、レコ買ってました。でも、そうなってくるとなんでも物を買うときにレコード換算してしまうという悪いクセが付いてきまして。カフェでコーヒー飲むときでも、ここで450円払わず、公園でエメラルドマウンテンブレンド飲んでたら、300円浮いて、それを6回繰り返せば、結構いいレベルのレコ買えるぞみたいな。あかんね…生活が貧しいものになるわ。そんな苦労の末買ってきたレコの中から、今日はWalkin' Largeの「Riverside Pictures」をご紹介。

95年発表。このWalkin' Largeはドイツのヒップホップグループ二人組。最近ではSquare OneやCurseといったドイツのヒップホップシーンだが、やっぱりこの頃なんかは一般的には全然知られていなかった。言ってしまえば、Mc Solarなんかと並んで、話題になったアメリカ以外のヒップホップアーティストの走り的存在だろう。でも、アメリカでないからといって、トラックのレベルに差があるわけではなく、当時出ていたNY産ヒップホップの中でもこれだけの作品を残せているアーティストは数えるほどだ。彼らの感覚は完全にメロウ&太いドラム。似たようなトラックを作っていたアーティストというと、Pete Rock、Grand Puba、Lord Finesseといったところであろうか(といよりか、そこら辺から影響を受けたと思われる)。でも、本当にサンプリングアートとしておもしろいことをやろうとしてる。本作でのイントロは音の途中途中でレコードが針飛びする音が重なるというものだし(久々に聴くんで、傷がないか確認しちゃいました)、次作ではGang Starrの1stアルバム収録の"Dj PreMier In Deep Concentration"を自分たちでカバーしたものもやっちゃったりしてるする。こういうところで、やっぱりアメリカのアーティストではないのだなと感じる。本作は本当に全体を通してトラックのレベルが尋常じゃなく高いんで、この1曲ってのはないかな。それだけいいってことです。90年代半ばのメロウヒップホップ好きには必須の1枚です。

浪人時代はかなり無茶やっていたことを今でも思い出す。予備校(千駄ヶ谷)の模試なんかも、昼休みに明治公園のフリマに行って、昼休み終わりの試験は少し遅れて参加したりしていた。大学受験の時も、その大学が神保町にあったので昼休みにレコード買って、午後からの試験受けてたし。試験会場にdisk unionの袋って相当異様な風景だったと思う。でも、そんなんでも、なんとか大学生になれてよかったなと、つくづく今思います。

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