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Soul & Funk(70's)

2012年4月 5日 (木)

桜の季節の不安を吹っ飛ばすSweet Thunderな日

Sweet_thunder また桜の季節がやってきた。花なんてほとんど興味はないけれど、桜だけはどうしても目に入ってくる。単純に植えられている数が多いこともあるだろうが日本人の深層心理に刷り込まれているというか…。幼稚園の入学式から大学の卒業式まで自分の人生の岐路にはいつもあのピンク色の花が咲いていたような気がする。実際そうでなくてもそんな気がするのはそう刷り込まれているからなのではないだろうか。でも、頭の中を支配するそんなおぼろげで蜃気楼のような桜の中で実体としてはっきりと思い出すものがひとつだけある。 名所と呼ばれるようなところのものではなく、近所の空き地にあった。そこは都内の小さな一軒家が建つくらいの大きさで、背が低くて頭がでかい桜が一本生えていた。春になると花が空き地を埋め尽くし、道路まではみ出るくらいだった。初めて見た時は、その狭い空間を埋め尽くすさまに圧倒された。それを見つけた年から春になるとそこの脇を通ってその桜を眺めた。Sakura_6 止まってみるようなことはなかったけれど、毎回「やっぱ、こいつはすごいな」と思っていたことは確かだ。数年前、また春になったのでそれを楽しみにいつもとは違う帰り道を通り、今年もあいつを眺めておくことにした。が、着いてみるとそこにはピンク色のふてぶてしいまでにでかい塊はなく、本当にちっぽけなただの空き地になっていた。空き地の真ん中には切り株があった。そして数ヶ月後には駐車場になり、切り株もなくなっていた。なんか寂しいようなむなしいような気持ちになったことを覚えている。自分にとっての春は、なぜか少し不安な気持ちになることがある。なんだかよく分からないけどそう思う。それこそぼんやりとした不安か…。実体のある桜はなくなって、残ったのはおぼろげな桜にぼんやりとした不安。春は自分にとって向いてないのかもしれない。。。なーんてちょっと物思いにふけった文学青年風に書いてみたけど、いい音楽があるとそんなこともどうでもよくなるもんなんだよね。そこが自分のいいとこだったり♪そんな感じで、本日は春の処方箋Sweet Thunderの「Horizon」をご紹介。

79年、WMOTレーベル発。後にソロでも活躍するBooker Newberryを擁した白黒混合4人組ヴォーカル&インストグループによる作品。アルバムは3枚残しているが本作が最終作となる。彼らのアルバムは1STはまあまあといったところだが、指からビームジャケの2NDはそのジャケのクオリティに反し完成度は高い。特に"Baby I Need Your Love Today "を筆頭としたメロウな楽曲はすこぶる快調だ。それでも、迷いつつこちらを紹介したのには訳がある。それはミラクルな一曲を収録しているからに他ならない。その一曲とは、A面ラストを飾る"I Leave You Stronger"。コーラスグループのバラードといったスウィートでスロウな展開でスタートするも、曲の中盤で一気に転調しパーカッションが入ったアップナンバーへに早変わり。これがまさしくこみ上げ系とでもいうべき一曲で、フリーソウルファンも必聴のメロウモダンダンサーなのだ。パーカッシブなビートの上に響くホーン、殻を割ったように躍動するBooker Newberryのヴォーカルと完璧だ。この曲は、まさしくちゃんと聴いていないと得られないご褒美とでも言うべき存在。実際、僕がレコ屋で店頭に立っているときにこの盤を試聴したお客さんがいて、少し聴いてからキャンセルした。そこで、キャンセルされたレコードを取り出し店頭でこの曲をかけていると、転調してからちょっとしたところでさっきキャンセルしたお客さんが戻ってきて、「やっぱ、これ買います」と恥ずかしそうに言って買っていった。こういうときにレコ屋をやっててよかったなと思う。自分の知識を生かして、商品を売ることができ、お客さんも満足するからだ。しかし、この場面ではこの曲がそれだけのパワーを秘めているという証拠も示したと思う。やはり素晴らしい一曲であることが再確認できた。他収録曲は、スロウに佳曲はあるものの取り立てて述べるようなところはない。アルバムとしての完成度は2ndの方が高いと言ってしまってもいいかもしれない。しかし、"I Leave You Stronger"、この曲だけは忘れずに最後まで聴いていただきたい。そうすれば、このアルバムを買わないわけにはいかないはずだから。

2010年11月13日 (土)

つげ忠男読んで、Gavin Christopherな日

Gavin_christopher_5 二世タレントって多いすね。芸能界、スポーツ界なんかに。実力ではなく親のコネ的な部分がやっぱり強そうなイメージがありますね。芸能界の二世なんて微妙な俳優とか山ほどいるでしょ(個人的にはあのIMALUっつーのが自分の実力だけで、世に出ることは100%無理だったと思います)。でも、これって日本だけのことなんすかね?!僕は海外サッカーが好きなんでよく見てるんですけど、そっちの世界でもやっぱ二世って多いんですよ。二世って言われるとどうしても否定的な目で見られるっていうのが世の常ですが、バルサのブスケッツなんかは二世のほうが活躍しているんではないでしょうか(外国の芸能界事情はさっぱり分かりませんが…)。南米の選手なんか特に二世が多くて、地方の小クラブのプロだった父親に小さい頃からサッカーを教わったなんて逸話はよくあります。では、兄弟というとどうでしょうか。二世に比べると少ないイメージかなぁ。今でいうと、芸能界では道端三姉妹なんかが有名ですかね。でも、一人出たから、後追いでこっちも売れっかも的な要素が二世よりも強い気がしますね(スパンが短くてすむしね)。でも、僕がこの前買った漫画は有名な兄貴がいたからこそ世に出れた可能性はありますが、内容的にもなんの見劣りも感じない完成度を誇っていました。Tuge_tadao_4 つげ忠男の「舟に棲む」です。兄のつげ義春は、「無能の人」が映画化されたり、過去の名作も文庫化されているから知名度は高いと思うのですが、弟の忠男までいくと一部の漫画ファンに限られるでしょう。しかし、本作は前述兄貴の「無能の人」にも通ずる感覚がある佳作。嫁と息子が切り盛りするジーンズ店を持ち、自身は小説家である主人公が一艘の古びた川舟を買うところから話は始まります。自身は小説家としての仕事を本業としながらも、嫁が営むジーンズ店からの収入でなんとか生活はやっていけるという境遇。切迫感がないから、自身の小説家としての仕事にも身に入らないという悪循環の中で、さらに舟という自分だけの逃げ場を見付け出してしまう。舟の上でのんびり釣りでもやって暮らしていたいという夢と、家族との生活という現実、さらには小説家という夢が入り組んだ主人公の精神構造と、舟を中心とした人との出会いによって話は展開していく。こういった悩みは誰にでもあるあるものだし、主人公のどこか全てのものをほったらかしにしてしまう逃避的な性格も自分に投影してしまう部分がある。大きな展開はなくとも読者を離さないおもしろさがある作品ですね。最近の邦画なんかに近い感覚なのかも。ああいうタイプの邦画が流行るなら、こういう漫画も売れて欲しいなと思います。さてさて、本日ご紹介するのももっと売れてもよかったのではという、Gavin Christopherの「Gavin Christopher」をご紹介。

76年、Islandから発表のアルバム。Gavin Christopherっていうと、80年代後半にSystemがプロデュースしたあのドレッド振り乱しジャケのイメージが強かったんですが、こんなアルバムも出していたんですね。全く知りませんでした…。このアルバムを買ってちょっと調べてみたんですが、2ndはジャケは何度も見たことあるけどスルーしていた盤でした(なんでだろう?!)。本作がソロデビュー作になるのですが、このアルバムを出す前にも活動しており、あの白アフロで印象深いLalomie WashburnやRufusのBobby Watsonが在籍していたHigh Voltageというグループにも参加していたらしい。そのためか、Rufusの連中との蜜月は続くようでRufusの楽曲のクレジットにGavin Christopherの名前があるものがいくつか見受けられ、楽曲提供を行っていたことがうかがい知れる。本作の裏ジャケにもChaka Khanから"God Bless Ya Gavin, Love, Chaka Khan"とのメッセージが記されている。ちょっと前置きが長くなったけど、内容的には隠れたニューソウル佳作といえる一枚。Rufusの連中と一緒にやっていたことからも分かる通り、アルバム収録曲にはファンク楽曲も多いが、こちらはメジャーレーベルのファンクといった印象が強く、個人的にはあまり強く刺さらない楽曲が多い(とはいいつつも、完成度は決して低くはないのだが)。ということは、やはり注目すべきは流麗なミディアム~スロウラインということになるのだが、そこに属すであろう"Treasure Every Moment"、"Return The Love"、"Paradise Is In Your Hand"、"Mirror, Mirror"などはメロウでいいメロディ、芯の強いGavinのヴォーカルが三位一体となり高い完成度を誇ってる。ここら辺の楽曲は適度にファンクの要素を組み込みながらもメロウに仕上げているあたりから、個人的にはジャンル分けではニューソウルと呼んでしまっていいような気がする。しかし、これらの良曲を抑えての本作のハイライトはなんといっても"Love Has A Face Of Love"!ブラックスプロイテーションOSTの楽曲のように疾走感に溢れたファンキーな演奏にGavin Christopherの伸びやかな声が絶妙なマッチングをみせている素晴らしい一曲。う~ん、これを聴いてしまうと、2ndが気になる。1000円以下で落ちてたら絶対買おっと♪

2010年10月15日 (金)

古本屋に共感しつつ、Lasoな日

Laso 「今でも野球賭博やってる」 いやぁ、IPPONグランプリでの有吉の答え、最高でした!まさに身もふたもないすね。。。さてさて話は変わりますが、最近読んだ本で「古本屋おやじ」という本がありまして、これを書いているのが中山信如という古本屋兼作家という肩書きの御方。基本的には、古本屋さんの日常を描いたエッセイというかたちで、非常に読みすかったです。でも、やっぱりこういう本が気になるのは、僕も古物行を生業として生活しているという側面が大きいからだと思います。レコード、CDと本という違いはあるけれど、似たもの同士。やはりお隣さんの日々思うことが気になるわけです。で、結論から申しますと、「やっぱ一緒やん」ってことになりますね(笑)。Huruhon_2 入ってくる客に感じる感情なんかはとくに共通性を感じました(どういう感情かは色々ありますので、本をお読みください。 75%くらいは共通しております)。それとか、大物の買取を逃してしまった悔しい話なんかは共感できるなぁ。やっぱり古物商は良質な商品をどれだけ高回転させるかが勝負になってくるんで、良質な中古を仕入れるということが最優先事項になるわけですよ。買取持ってきていただけるようへこへこしながら、愛想よくしておこぼれ頂戴するんです。因果な商売…。でも、自分の好きなジャンルに絞って商売する著者は偉い!嫌いなものだとやはり不勉強な側面は少なからず出てしまいますからね。僕もブラックミュージックでがんばっていきますよ!そんな共感を抱いた本日は、Lasoの「Laso」をご紹介。

77年MCA発のアルバム。このアルバム、巷のレコード屋さんでは、相場は2000円以内でしょうか。僕が購入した値段も700円でした。そんな安盤なのですが、内容はすこぶる良好!この盤を買ったときは結構まとめ買いして1万円以上購入したのですが、一番安かった本盤が一番僕の好みに合いました。やっぱり内容って値段じゃないすね。さてさて、そんな本作はジャンル的に言えばラテンディスコ。しかもラテンソウル界のゴッドファーザーJoe Bataanがプロデュース、ソングライティング、ヴォーカルとして参加しているんです!これで内容の悪い訳がなく、全編メロウでいて高揚感に満ち溢れたラテンディスコを展開しています。一番有名なのは、12inchで結構な値の付くStevie Wonderカバー"Another Star"でしょうが、これは個人的にはまあまあといったところですね。やはり特筆すべきは、A面の3曲でしょう。冒頭、"Laso Square ( Are You Ready )"は、アルバムの中で唯一Joe Bataanがリードを取る曲。アッパーでいてメロウなハッピーラテンディスコといったところ。高揚感溢れる歌メロに有機的に絡むホーン、パーカッションが本当にたまらないですね。フリーソウルとかで評価されてもおかしくないんじゃないかな。続く、"Mom And Dad"は哀愁系ディスコ。この歌メロにソウル色強めな女性ヴォーカルはテッパンです。Joe Bataanの総合プロデューサー的な能力がうまく発揮されております。A面最後を飾る"Happy Smoke"は、準インストナンバーでヴォーカルはコーラスのみという楽曲。ディスコ色は強いものの鍵盤主体でラテンレアグルーヴともいえるか(いや、やっぱラテンインストディスコか?!)。いやはや、息をつく間もないA面21分といったところか。近年でも名作を出し続けるJoe Bataanのパワーをまざまざと見せ付けられた作品ですね。

2010年2月26日 (金)

レッツLow Price Music!なKleeerな日

Kleeer_2  いや~、2009年も終わって、遂に10年代突入ですな。そんなこといいつつも、あんま変化なさそうっす。てか、00年から今って考えてもそんな変化なかったような…。まあ、歳だけは確実にとりましたがねっ(残酷や~)!ま、でも10年代は、私が所属する音楽業界にとっては、またまた厳しい10年間になることは必至…。レコードの価値はいつまで保たれるのでしょうか!?いや、むしろCDすら危ないかもよ。でも、意外にソウル・レアグルーヴ系は頑張ってるんだよなぁ。Lotus Land(Darwin's Theory最高!)、Jazzman、PPUとかね。特にJazzmanのLPリイシューはヤバイ!!Milton Wright、Ricardo Marreroときて、今年にゃJohn Heartsmanだかんね。もう、手が付けられません。10万超えのLPはさすがに買えないから、リイシュー購入ってのも有効な手段ですよね。でも内容的には、個人的にはリーズナブルなものの方が好きかも。ってことで、本日は、Kleeerの「I Love To Dance」をご紹介。

79年発表のアルバム。Kleeerは、Universal Robot Bandの後進バンドで、近年はExpansionからもコンテンポラリーな良盤をリリースするWoody Cunninghamを擁していることでも知られる。有名なのは、Deodatoがプロデュースした「Intimate Connection」などの後期の作品になるのだろうけど、個人的には、Luther Vandross、Jocelyn Brownの二大スタジオヴォーカリストも参加してるこれでしょう♪やはり、時代柄ということもあり、ディスコテックなナンバーが並び、そのどれもが高水準という逸品です。冒頭を飾る"Tonight's The Tonight"が、個人的にはこのアルバムのハイライト!印象的な走るベースラインが曲全体を引っ張る極上のダンスナンバーで、サビにかかる女性コーラスの甘さもいい味付けに♪これに続くのは、やっぱりアンニュイなストリングスの調べと歌メロラインが心に染み渡るメロウミディアム"Happy Me"です。隠し味的に利いてくるパーカッション使いもいいなぁ。Garage定番として知られる"Keep Your Body Workin'"なんかも収録されてるけど、個人的にはまあまあといったところ。どれもディスコを念頭に作られた楽曲なのだろうが、全体的にベースが強い楽曲が多く、下手に軽いディスコにならずにいるところが好印象。楽曲自体はノリノリなんだけど、メロディはちょいと物悲しいものが多くて、そこもおもしろいすね。

2009年10月 7日 (水)

お久しぶりですな、Joe Bataanな日

Joe_bataan いやぁ、ずいぶん更新してなかったっすね。別にマイコーの後追い自殺した訳でも、この間一枚もレコード買わなかった訳でもないっす。なんか、ちょっとめんどくなることあんじゃんか。んなもんです。で、なんかまた書きたくなったかなと。近頃は、いつも通りの店舗巡りとヤフオクを併用ってかんじすね。店舗巡りのあの宝探し感覚はいつになっても自分を奮い立たせてくれる麻薬的な魅力があるし、ヤフオクは単純に今ソウルが安いっ(Natural FourのセカンドとSilkのセカンドが両方2100円でっせ)!まあ、そんな最近のレコ買いの中から紹介したい盤は、この前、都内中古レコ某チェーン代々木店(モロバレ)で購入したJoe Bataanの「Afrofilipino」をご紹介(うわっ、久々に言ったなぁ)。

75年、Salsoul/Epicから発表のアルバム。Joe Bataanといえば、やっぱりサルサのイメージが強い。その固定観念から今まで全く手をつけていなかったんですが、高円寺のKokomoでこのアルバムをちょいと聴かせてもらったら、ぶったまげた!なんといってもそのソウルフルな感覚に。ニューソウルmeetsラテンなサウンドは果てしなく心地よく、確実にソウルファンの心を掴んで離さないはず。結局、Kokomoの盤は反ってて針飛びしちゃったんで、あきらめて探していたところをココナッツで発見したって訳っす(あっ言っちゃった)。このアルバムの魅力は捨て曲が全く無く、アルバム通して非常に高品質なところ。Free Soul好きにはなんといっても"Chico And The Man"(「Free Soul Classic Of Salsoul」に収録)。ラテンなリズムにディスコなベースライン、その上には極上のこみあげ系歌メロが乗るんだからたまらない(Free Soulもやっぱ捨てたモンじゃないね)。レアグルーヴファンにとっては、Gill Scott Heron"The Bottle"のカバー、もしくは"What Good Is A Castle Part.2"といったところのはず。"The Bottle"という言わずもがなの名曲を絶妙なホーンセクションでインストカバーした前者、疾走感溢れるオルガンとファンキーな演奏が非常にカッコイイ後者は甲乙つけがたい逸品同士。ソウルファンにとっては、"Hey Girl"、"Ordinary Guy(Afrofilipino)"あたりかな。前者の胸がすくようなニューソウル風アップナンバーの心地よさは圧倒的だし、メロウミディアムチューンの後者は物憂げな歌メロにコーラスが絡むというソウルファンは悶絶な展開(後半はラテンブレイクだけど)だす。とにかく、このアルバムには褒め言葉しかないすね。Joe Bataanの声が受け付けられないって人や、ラテン的なリズムが嫌っていう人がいるかもしれないけど、まずは聴いてから判断して欲しい一枚。

2009年6月27日 (土)

マイコーよ、永遠に。。。

Michael_jackson_2 Michael Jacksonが亡くなった。享年50歳。こんな淡々とした言葉だけでは片付けられない偉大な功績を彼が残したことは、ソウルファンも実感していることは間違いないだろう。キッズグループとして過ごしたJackson 5時代の栄光、Jacksonsとして果敢にフィリーサウンドを取り入れ果たしたグループとしての成長、そして「Off The Wall」から始まるポップフィールドでの圧倒的な活躍。しかし、この音楽的な活躍とは裏腹に日本での彼のイメージは近年の奇行に端を発したちょっとおかしい過去のスターというものだったと思う。しかし、歌と激しいダンスで魅せるというスタイルは、R&B、ポップのフィールドでも当たり前のように披露されているが、その先駆者はやはりマイケルをおいて他ならない。また、現実的に考えて、黒人としての世界最高のアイコンは彼だったに違いない。いや、それをオバマに譲って、役目を終えたと考えることも出来るのかな…。

それにしても、朝、「Michael Jacksonさん心肺停止」のニュースを見たときは衝撃が走った。ニュースを見進めていると、本当にマイケルが死んだということが分かった。昨日は仕事だったため、ニュースを見ながらそそくさと家を出る準備をした。一マイケルファンとして、追悼の意を表すため、Michael Jackson Tシャツを着て家を出た。電車に乗ってから、I PODで、「Off The Wall」を流す。"Don't Stop 'Til You Got"の印象的なストリングスの後に、あのマイコーの声が聴こえてきたとき、不覚にも涙が出てしまった。あの細いながらも、絶妙なヴォイスコントロールで、楽曲を自分のものにするマイケルに改めて打ちのめされてしまった。「こんな才能がなくなってしまったのかぁ…。」と、初めてマイケルの死を現実的に受け止めた。続く、"Rock With You"は、自分がDJをするときなどにもかける一番のお気に入りの曲。爽やかなギターカッティングが映える最高のダンスチューン。でも、そこでも耳に残るのは、やはりマイケルの歌の"うまさ"。声の力の入れ方(後、震わせ方)を部分部分で絶妙に入れ替えて、曲を盛り上げていく。これは、本当に天性のものな気がするなぁ。そして、不穏なイントロから、切ないメロディラインのサビに続くタイトル曲もやはりいい。まさしく、らしいプロダクションが冴え渡るStevie Wonderによる"I Can't Help It"もメロウな名曲。ポップなメロディラインが耳に残る"It 's The Falling In Love"もいいなぁ。やはり通して聴いてみて、アルバムとしての完成度を再確認できた。この時代ならでは、そして圧倒的なミュージシャンを集めて作り出されたSOUL、DISCO、FUSION、AORの折衷音楽。これぞ、"King Of Pop"の名に恥じない永遠の名盤だろう。

電車から降り、仕事場に着く頃にはもう顔面どろどろ。やはり、失くしたものが大きすぎることは明白ですね。昨日の朝、電車の中でマイケルのTシャツ着て泣いている若者を見かけたなら、それは僕です。そっとしておいてください。

2009年4月19日 (日)

Keni Burkeな日

Keni_burke_2 先日、浅野いにおの「夜明け前/世界の終わり」を読んだ。若者の日常を少しだけねじ曲げて描いた傑作だと思った。思い返してみると、80年代、90年代にも同じような印象を与えてくれる作品があることに気付く。80年代においては大友克洋の「ショートピース」であり、90年代においては松本大洋の「青い春」である。どちらも当時の若者が主人公であり、淡々とした日常だけを描くのではなく、物語性が加味されている。そこにその作家のクリエイティビティが色濃く反映されていることに気付くのだ。ただ日常を描くだけなら誰にでもできる。ただ物語を作る場合でも突飛なことを描けば事足りる。しかし、意外性を持たせつつ、整合性を持たせようとすると、それが簡単なことではないということに気付くはずだ。先に挙げた大友、松本の作品は各人において、初期のものにあたる。この後、大友は「AKIRA」、松本は「鉄コン筋クリート」という大作を書き上げた。浅野も彼らの系譜を受け継ぐのかもしれない。でも、個人的には先の二人も初期作品の方が好きだったりすんだよね。で、本日はKeni Burkeの「Keni Burke」をご紹介。

Keni Burkeといえば、「Changes」ですか?それ正解。"Risin' To The Top"いいもんね。しかーし、77年、Dark Horse Recordsからひっそり出されたこちらも抜群の味わいなのです。幼少期からFive Stairstepsで活躍し、Stairsteps、Invisibleman's Bandと名前が変わる中でも常にグループの一員として活動してきた彼のソロデビュー作。ベーシストとしても有能で、数々のセッションに参加してきた実力は疑いようのないもので、本作でもそのベースをはじめギター、キーボードでも辣腕を振るっている。軽快なヴォーカル、メロウな音作りも特筆に価すべき出来で、アルバム通して完成度の高い出来を誇っている。ディスコなトラックながらもニューソウル的な温かみが垣間見える音作りが特徴といえ、冒頭を飾る"Keep On Singing"はその代表ともいえる素晴らしいアップチューン。続く"You Are All Mine"はシンセを効果的使った甘くてメロウなミディアム。"Give All You Can Give"も楽曲とコーラスがうまくかみ合った高揚感のあるアップチューンで、フリーソウルなどで評価されてもおかしくない出来。このメロウな音作りの才能が、80年代の「Changes」で完成をみせるといったところか。でも、個人的には初期作品の方が好きだったりすんだよね(笑)。

2008年11月 2日 (日)

Tom Brockな日

Tom_brock_2  いやぁ、またまたソウルガイドブックでなかなか使えるやつが出ましたね。そうです、「GROOVY SOUL」(シンコーミュージック)です。私は、レコ屋ってことで、出てすぐに買わせていただきましたよ。このシリーズは、他にも「Roots Reggae」、「Fusion」、「New Wave」を持ってたっけかな。ま、そんなことは置いといて、重要なのは中身ですよ、中身。ちょろちょろ見てると、基本知ってるのがほとんど。しかーし!よくよく読み進めていくと、Jeffree、Sly, Slick & Wicked、Roy Lee Johnson & Villagers、さらにはOpus 7まで載ってます!こりゃ、僕のブログ読んだっしょ?と勘ぐりたくなる衝動まで起きた訳ですよ(嘘です…)。でも、さらに痛いことは、今後紹介しようかなぁとか考えてた弱マイナー盤が一気に紹介されていて、先を越されたというところ(泣)。Flavor、Individuals、Independent Movement、Universe City、Calender、Solar HeatにBillion Dollar Bandまで。おいっ!紹介しすぎっ!「これじゃあ、商売上がったりだよ」とか言いつつも、やっぱり弱マイナーで内容いいのって、ここらへんしかないもんね、と妙に納得。いやはや、いい本です。じゃあ、そっちがその気なら、こっちゃあレア盤を紹介しようかい!なんちゅー大人気ない手に出させてもらい、本日はTom Brockの「I Love You More And More」をご紹介。

以前には2naさんも紹介していた盤。でも、Barry White絡みは一応、やっておかなきゃ男がすたりますんで、僕も紹介いたしやす。てか、レア盤なんですが、これもかなり安く手に入ったんですよね。郊外のレコ屋で、2180円でした。やっぱ、足で稼がなとね。さてさて、本題に移り、本作は74年作。先ほどもいったようにBarry Whiteプロデュース、アレンジにはGene Pageなんかも関わっていて、万全の布陣。この二人が絡むってことで、やはりとでも言うべきかストリングスが美しく曲を装飾してくれています。やっぱり、ハイライトは"There's Nothing In This World That Can Stop Me From Loving You"。甘美なストリングスとコーラスにTom Brockの心の琴線に響く歌声がマッチするさすがの名曲です。ドラムが非常にタイトなのもこの曲を名曲たらしめる要因かなと。冒頭の"Have A Nice Weekend Baby"も歌メロの出来は素晴らしい。でも、2naさんも言ってたようにWest Wingの方が完成度は高いですな。このTom Brockって御方はライターとして非常に才能があったんじゃないかなぁ。また、タイトル曲を筆頭に何曲かからはニューソウルな臭いもするんだよなぁ。時代のアルバムといったところですかね。というか、2naさんの文を踏襲したような内容になってしまい、恐縮です。でも、レア盤が紹介したかったからいいのさ。しかし、この盤にはオチがあって、B面1曲目がトビます…(見た目で全然分かんなかった…。てか、そんなんならまともにレビューできんだろーに)。

2008年8月14日 (木)

Pocketsな日

Pockets 先日、以前からの目標であったTシャツ自分刷りを慣行してきましたよ。仕事終わりにインターネットデザインやってる友達と合流して、新宿のドンキでanvilの無地Tシャツを3枚購入。その後、すぐに友達の家へ直行して、Tシャツを作ろうとするも…、友達が仕事の残りをし始めぐだぐだ話しながら延々四時まで…。その日はもう遅くなったので、睡眠をとり翌日10時半に起床。そこからすぐにネタ掘りを開始です。友人宅にあるありったけのレコの中から最終的に2枚をチョイス!それが、Pocketsとフィリピンのディスココンピ。二つを友達がフォトショップで加工して、原版は出来上がり♪それを「Tシャツ君」を駆使して、ようやくTシャツにしあげましたよ。どうですか!この出来!!しかもPockets!!!絶対にTシャツ化されないであろうところをチョイスしたセンスや出来栄えに惚れ惚れしながら、今日はPocketsの「Come Go With Us」をご紹介(んっ?!フィリピンのディスココンピの方は?って。う~ん、そっちはちょいとプレスミスしたんで、倉庫にデッドストックしておきます)。

Pocketst_2 77年作品。Earth, Wind & Fireの弟分として3枚ものアルバムを出した彼らは舎弟一番手でしょう。しかし、いかんせん一般的な評価が低いっ!確かにファンクファンからは評価されないなぁ。グループファンもちょいと手を出さないか…。でも、そんなときに手を差し伸べるのが雑食性であるnaffgrooveな人たちでしょう。 メロウさとポップさを併せ持ったサウンドはフリーソウルやAORなんかの観点からは一定の評価を得られそうだしね。そんな彼らをプロデュースするのはE,W & Fのベーシストであり、Maurice Whiteの弟さんでもあるVerdine White。楽曲は全体的にレベルが高くアルバムとしてのまとまりもよいのだが、まず、いの一番に挙げたいのは冒頭の"Come Go With Me"。この爽快感溢れるアップナンバーはBreakwaterやNiteflyteなんかと比べても遜色ないほどのみずみずしさ。続くのはアーバンな香りを存分に引き出したスロウチューンの"Elusive Lady"。この時代において、ここまで都会的なアレンジが出来るのはプロデューサーがジャズの素養もあるMaurice Whiteの弟であったことに起因するのか、アレンジを手がけたTom Tom 84に起因するのか分かりかねるが、とにかく素晴らしい。ラテン風味なミディアム"Pasado"や甘いスロウ"One Day At Night"なんかもかなりいい出来。ジャケを見て買わないでおくには惜しすぎる一枚。以前紹介したSplenderなどE,W & F絡みでは結構面白い作品ありますわ。

2008年6月24日 (火)

Barrett Strongな日

Barrett_strong_3   いやぁ、相当休みましたね。仕事二つ掛け持ちで忙しかったんですってことでね(今もだが…)。まあ、折を見て再開しようと思ったんだが、どうにもふんぎりがつかない感じだったもんで。でも、今日から再開!!って意気込んでみるんだが、更新はそんな頻繁にならなそうッス。でも、ちょくちょくはやってくつもりなんで、暇なときにでも見てやってくださいな。てな今日は、Barrett Strongの「Live & Love」をご紹介。

76年発表の作品。時代的にはちょっと遅れていることになるのかもしれないけど、空気感はニューソウル。バックヴォーカルにはDorothy Mooreなんて名前も見えるし、音のレベルも全然よいです。また、ライターとして活躍した本人の歌唱も渋みがありなかなかのもの。ただし曲によって出来不出来の差が大きいところが玉に瑕…。でも、ニューソウル系の"Man Up In The Sky"はメロウ&グルーヴィーで聴き応えたっぷりだし、メロウなまったりミディアム"Be My Girl"は十分に一級線の出来で、是非聴いてもらいたい限り。サザンソウル臭漂う"Gonna Make It Right You"までがやっと及第点といったところで、これに続く曲がないのもまた事実なんです。いい曲を書きつつも時代に残らないのは玉石混合(しかも石多し)のなせる業。それを拾って評価してやるのが現代のわれわれの役目かなと。前述の2曲を試聴して後は目をつぶって購入してやってください。

まあ、今後はこんくらいの長さでちょこちょことね。一般的にはマイナーめな作品を紹介していければと考えていますんで、もし時間が許せば、チェックしてみてくださいな。