フォト

マイリンク

無料ブログはココログ

Soul & Funk(80's)

2012年12月 7日 (金)

師走はお疲れですなMichael Orrな日

Michael_orr_2  いやぁ、久しぶりです。もう毎回書き出しこうなっちまうね。更新頻度低すぎます。はい。まあまあ、更新するだけましっつーことで。許してくださいな。それにしても毎年師走は忙しい!語源が忙しいとかなんとか…そんなうんちくじみたことは全く知識の範疇にないですが、それにしても忙しい。やっぱ、販売業ならではなんでしょうか。特にレコード屋は、セールが目白押しで、そのための準備、訴求、さらになんといっても商材確保のための査定が半端ないっす。1日ごとに締め切りの査定があり、通常業務をこなしつつそれも行っていくんだからそりゃ大変すよね。でも、この季節買取が普段よりも多く、色々なお客さんが売ってくれるから普段見ないアイテムが多数入ってくるのは正直いってワクワクしますね。つい先日も、4年以上査定やってきて一度も見たことないCDに出会いました!国内盤で、巻き帯現存!っつっても廃盤CDコレクターの人にしか通じないと思いますが…(ちなみに、僕はレコードコレクターですよ)。だって、年間で2万枚ほどは査定やってるんですが、それで4年見ないっつーことは単純計算で8万分の1。0.0001%!もうよく分かんないっす(計算あってるかもね)!それをセールで取り合う画を想像するとよだれが出ますね。ご飯大盛り3杯食べれます。いや、それは嘘です。とながなが文章書き連ねましたが、忙しい師走に身体を癒してくれるピースフルかつ神聖な一枚を。。。本日は、Michael Orrの「Love Will Rise」をご紹介。

最近、海外からレコードを買うという危険な遊びを覚えまして、それの通算3枚目。さらに、海外のレコード屋から直接購入したものとしては初のアイテムになります(パチパチ)!うちのお店にも年に何回か買付に来るスウェーデンのレコ屋Record Maniaさんからの直輸入品でございます。81年、ゴスペルの老舗Birthright Recordsからの作品。そう、何を隠そう本作はゴスペル作品ということになります。以前もInfinityを紹介させていただきましたが、やはりゴスペルにはまだまだあなどれない作品が多数眠っていると肌で感じますね。

本作は、かの「USブラックディスクガイド」~究極のLPコレクション《グループ編》~でもおなじみハゲ魔人ジャケ「Spread Love」を残していたMichael Orrの2ndにあたる作品(こちらのジャケも強烈ですが…)。古くから名盤として知られる1stがCounterpointから再発されたときにCDにはボーナストラックとして3曲が追加収録されていたことを覚えている人は少ないかもしれない。個人的には本編よりもボーナストラックの方がずっと好みであり、特に"I Don't Know You"は最高のモダンソウルであると感じていた。こういった情報をネット上で追っかけている過程でこちらのLPが出ていたことに行き当たったのだ。それ以来ずっと欲しいとは思っていたのだが、ついぞ出会う機会はなくようやく海外のレコード屋から通販で購入に至るということになるのである。こんな顛末は本人以外どうでもいいだろうが、内容は全く見逃すことが出来ないものになっている。やはり、核となるのはMichael Orrの抜群の作曲センス。ゴスペルというとどうしても歌力まかせやクワイア的展開で押し通し楽曲そのものがおろそかになりがちだが、本作では世俗に接近したモダンソウル調の完成度の高い楽曲が並ぶ。81年ということもあり、生音中心だが絶妙にシンセが絡んでくる音はこの近辺の音が好きなものにとっては生唾モノ。Michael Orr自身の歌唱は結構イナタく好き嫌いがはっきり分かれそうだが、本作では裏方に徹し女性にヴォーカルを取らせてる楽曲も多くそこが成功に繋がっているように思えてならない。やはり、NO.1は先述の"I Don't Know You"。これは、Michael Orr歌メロのセンス、楽器の生音とシンセの混ざり具合、徐々に盛り上がっていくゴスペル的展開が奇跡の邂逅を果たした一曲である。そして、健気に歌うDebra Laws似女性ヴォーカルがまた合う合う!これに何も感じない御人は不感症認定いたします。他収録曲もレベルが非常に高く、「Jesus」なんかをものともしないTHE日本人なあなたにはオススメたっぷりてんこ盛り。極上のモダンソウルが居並ぶ展開は甲乙つけがたく、"Jesus Is Coming Again"、"This Is A Blessing"、"God's Give Me A Comforter"なんかはありえないくらいに完成度が高い。さらに、前作収録曲をブギー仕立てで再録した"Spread Love"も素晴らしいダンスチューンだ。アルバム通してここまでよい曲が並ぶアルバムも珍しく、もう少し話題に上ってもよさそうなものだが、ゴスペルであるがゆえに排除されている部分はあるのだろう(実際、ボーナス追加曲も一目でゴスペルと分かるタイトルはあえて避けられている)。僕の購入金額は送料込みで、諭吉さんとちょっと。高い買い物であることは間違いないが、これは一生モノのアルバムということでよしとしよう(ちなみに、その月レコードとCD併せて4万円ほど売ったんで堪忍してちょ)。

2011年5月 4日 (水)

地震と猟盤とInfinityな日

Infinity 地震から一ヶ月以上経ちました。久しぶりの更新です。あの時は、仕事中だったのですが、生まれて初めて経験する大きな揺れに正直びっくりしました。でも、内心どこかで、「大丈夫だろ」という考えが働くところが人間の恐いところ。周りのCDやレコードを押さえるという行動をとったのみで、外に一目散に逃げるといったことをしなかったのは今考えるとよりよい判断を下していなかったのではないかなと思ったり(それで死んだらやだもんね…)。でも、自分の行動より興味深いのがお客さんの行動。一目散に外に出た人もいたけど、そのままレコードを掘り続けている人も結構いました。さらに地震が一度収まって、お客さんを外に誘導しようとしたら、どうしても買いたいっていう方が何人かいて、やっぱりすごいなと。その人々のディグの執念こそ、まだまだ中古レコード業界が捨てたもんじゃないっていうとこなんではないのかなと。びょうきですよ、みんな(褒め言葉ですのであしからず)。そういえばRyoubannikkiこの前、戸川昌士の「猟盤日記」を読んでいたら、最後の方に「コレクターと阪神大震災」っていう特集があって笑いながら読んでしまった。やっぱり15年前からレコ好きはちっとも進歩してないなぁと。結局、あほなんですよ、みんな(こちらも褒め言葉ですのであしからず)。この本の他の部分を読んでいてもつくづくそう思います。みんな思考回路が似ていて、どうやってレアなもんを掘り出して自分のものにしてやるかっていう行為のループです。 大人になっても宝探しがやめられないんだよなぁ。みんなワンピースよりよっぽど海賊王なおっさん達です(読んだことないけど)。ちなみに自宅では、ターンテーブルが二台床に落ちていて青くなったけど、全然プレイ可でした(ありがとう、Technics!)。ターンテーブルに乗っていた500円のレコが破損したのとCDケースが少々割れたのみという極小の被害状況で安心しました。家に帰る前は、あれが割れてたら引くなぁと思っていたレコは全部無事でなにより。今日はそんな割れて欲しくなかったレコの中から、Infinityの「Spread The Word」をご紹介。

84年発表のアルバム。カリフォルニアはハリウッドの小レーベルMessage Recordsに残されたマイナーゴスペル作品。最近、何か面白いものはないかなと安く売っているゴスペル作品でピンときたものを重点的に買っている。だいたいハズレなんだけど、これの内容はピカ一で、モダンソウルが好きな人には直球ど真ん中な作品だと思う。ゴスペルはやっぱりクワイアとかのあの感じになっちゃうとちょっと厳しいんだけど、少人数編成のグループなんかだとGOOD!特に楽器演奏者なんかのクレジットがあったりすると、さらにいい気がする。それでも難しいのは、リードがバリバリのバリトンヴォイスだったりする時だけど、これはテナーとコーラスが中心で歌もかなりいいときているんだよね♪音的には80年代前半のまさしくアーバンメロウといったサウンドで、それが当時のメジャーでのソリッドなサウンドにならずまろやかな生演奏で再現されているところが素晴らしい。特にメンバーのRodney Bellというヴォーカル兼キーボード奏者の書く曲がよく、彼によるソングライティングである"Peace And Harmony"、"Tell The World About It"の2曲は絶品だ。前者はメロウなサウンドに柔らかいテナーのリード、甘いコーラスが乗る極上ミディアムモダンソウル。後者は爽やかなカッティングギターから始まりピアノとサックスが絡んでアーバンな雰囲気を醸し出すミディアムダンサー。それに続くのは、"Peace And Harmony"をRodney Bellと共作するLeonard Lothlenがペンを握る"All The Way With The Lord"。こちらもメロウなミディアムモダンソウルで、リードとコーラスの絡みが絶品!隠し味に使われているパーカッションも絶妙です。その他の曲は味わい深いスロウありちょっとキツイなっていうものも若干ありますが、それでも全体の完成度からいうと同年代の普通のソウルを見渡してもこれだけのものは数えるほどではと思えてしまうほど。レアリティも結構高く、海外オークションでは$100オーバーで取引されている模様。でも、この内容知っててもってなかったら、$100出しちゃうかも…。これは全ソウルファンにオススメしたい逸品です!

海外amazonサイトでmp3で販売されているようです(しかも全曲試聴できる!)⇒ http://www.amazon.com/Spread-The-Word/dp/B000R031KY

2011年2月25日 (金)

将来どうなんのかなとか考えつつ、Carol Lloydな日

Carol_lloyd ここ数年、レコード屋がその数をどんどん減らしている。僕の大好きな街のレコ屋から専門店、さらにはチェーン店の一部店舗まで。不況という状況下で客が店舗に落とす金は減り、ネット上の店舗やネットオークションなど実店舗ではない購入方法も多様化してきている(とはいえ、ネットも今は厳しい…)。ついこの前も僕が高校生の頃から通っていた吉祥寺のバナナレコードが潰れた。全ジャンル扱う店ながらも、スタッフの趣味趣向が現れていて好きな店だったのだが…。レア盤も時々入ってきてはいたけれど、やはり回転が悪く、買取がそう伸びていなかったのかもしれない。僕もレコ屋で働く身として、その厳しさはひしひしと身にしみてくる。やはり、ジャンルによって厳しさは変わるのだろうけど、特に厳しいのはクラブミュージック全般だろうか。Banana_record_6 まずは、中古の単価が安く、次に客層的にデータへの移行を苦にしなそうだからだ。 とはいえ、僕が担当するソウル系もやはり厳しいことに変わりは無い。一昨年、去年と高騰していたレアグルーヴのLPもバブルがはじけ適正価格に。  ソウルクラシックは年々売りずらくなっている。やはり、新規参入者が少なく、レコード、CD収集から足を洗う人が多いという全体の流れがあるからだろう。僕は生まれてきて今までレコード屋でしか働いたことがない。ソウルを中心にブラックミュージックに関してはある程度の知識を持っているが、その他には何も専門性は持ち合わせていない。この現状は厳しいが、続けていくのかはたまた違う道へと移るのか考えてしまう…。でも、音楽が好きなことには変わりない。とか、しんみりした話になっても、音楽はまた明日をがんばる活力になってくれるから美しいもの。そんな感じで本日は、Carol Lloydの「Love Carol」をご紹介。

83年、Philly Worldから発表のアルバム。このアルバムに関してのネット上での情報は皆無で、Discogsで調べてみても、前作の「Score」とPhilly Worldからの12inch「Come See About Me / I Just Want To Love You」は掲載されているのだが、本作の情報は載っていない。「Come See About Me / I Just Want To Love You」の12inchはUKプレスしかないという情報が出ていて僕の持ってるLPもUKプレスであることからして、82年に12inchを発表した後に制作され少量出回ったLPなのかもしれない(こんなんよくあるよって感じだったらすいません)。録音はフィラデルフィア、大半のプロデュースを手掛けるMichael ForteはEugene WildeがPhilly Worldから発表したアルバムにも関与している御方らしい。そんな80年代前半のフィリーらしさは本作にも現れている。生楽器を活かしたメロウでソウルフルなアップナンバーにこそそのフィリーの良心が見え、特に抜群の出来なのは"Baby Baby I'm Yours"。流麗なストリングスに後ろで鳴る軽快なパーカッション、そしてなんともいえない込み上げる歌メロに打ちのめされる。主役Carol Lloydも白人ながらそれを感じさせることはなく、なかなかの声量も持ち合わせており十分及第点。中盤ブレイクでのピアノのソロも最高に気持ちいいし、こういう分かりやすいディスコナンバーは掛け値なしに楽しめる。二番手は、似たようなタイプの"Tonight"か。こちらも分かりやすいアップテンポなディスコチューンで、歌メロのつくりがうまいし、ホーンをうまく使った味付けも申し分ない。メロウなミディアム"I Just Want To Love You"も心地よい。この3曲をプロデュースしたのが先のMichael Forteで、競作しているのがBruce Weedenという人。この二人が組んだプロジェクトQのその名も"The Voice Of "Q""という12inchがPhilly Worldで制作されてるようで、そちらも聴いてみたいところ。その他収録曲もEarly 80'sな旨みに溢れ、ブラコンの佳作といえるはずなのだが、いかんせん情報がないのが評価されていない元凶なのだろうか…?これが本作に関してのネット上での初めての情報だと思われるのだが(買いかぶりすぎ?!)、ここから少しくらい有名になってくれたり?!

やっぱ音楽聴きながら、レビュー書いてると、暗い気分もどっかいっちまうね!明日も仕事がんばろっと♪

2010年4月17日 (土)

あんなところ転々としたいなぁと思いながら、Jerry Knightな日

Jerry_knight_2  いやぁ、ちょっとさっきまで映画見ちゃってました。しかも、食事中に親が見てた映画を一緒に見るという、Michael記事内の「フラガール」以来の珍事です!07年10月ぶりでっせ。さてさて、見た映画というのは、「転々」という邦画。冴えない大学生(オダギリジョー)が、借金84万をこしらえてしまい、そこに取立てに来た取立て屋(三浦友和)にその借金返済のため、ひとつ仕事を手伝ったら、100万やると言われるところから、物語始まる。そして、その仕事とは、取立て屋と東京を一緒に散歩するというたわいもないもの。しかし、二人の持つバックグラウンドが絡み合い、歩いていく"東京"という街の風景と小ネタをふんだんに盛り込んだ場面場面に引き込まれていく。その風景は東京に住むものにとって非常に親近感の湧くものであり、「あっ、ここあそこじゃん」なんて何回か口走ってしまった。物語自体はそんなに作りこまれたものではないのだが、先に述べたとおり、逆に場面場面の風景、小ネタなどは非常に効いており、見るものを離さない。ストーリー自体よりもディティールにこだわる姿勢はなんか僕の性分に合う。今のサブカル界隈で評価されそうだし、独特のゆるい雰囲気も絶妙だ。Photo_2 後、本が原作らしいのだが、これは映画のほうが出来がいいんじゃないか、とかってな憶測を抱いてしまう。それは、やっぱり風景なんだよね。本当にいい場所を色々と知っているな、と感心してしまうくらいいい風景が多い。僕自身も街を歩くっていう行為が好きなので、歩いているときに「ここら辺の感じいいなぁ」と思ったりするんだけど、自分が歩いていたらそう思うんだろうなぁ、という場面に非常に多く出会えた。で、監督を調べたら、あの「時効警察」を手掛けていた三木聡というお人。「時効警察」はドラマを全く見ない僕が見ていた数少ないドラマのひとつ。やはり、いい感覚してんなぁとね(どんだけ上から目線やねん)。で、よくよく調べてみたりすると、昔は「ダウンタウンのごっつええ感じ」などの制作に関わってたらしい。う~ん、やっぱ自分の感覚って、嘘つけないね。好きなものはどこかでつながっているのかもなーんて思いながら、本日は、Jerry Knightの「Love's On Our Side」をご紹介。

A&Mから82年発表のアルバム。Raydioのベーシスト兼シンガーとして参加していた御方によるなぜかあまり評価されない名盤(って言っちゃって、いいっしょ!)。プロデュースにはLeon Haywood、バックにはJames Ingram(Ingram兄弟の方)、James Gadosonと実力派が揃う。しかし、このJerry Knightという御方は、マルチプレイヤーで、プロデュース、ヴォーカルだけにとどまらず、シンセ、ピアノ、ギター、ベースと多くの楽器を一人でこなしている。こういうマルチプレイヤーの作品って、「器用貧乏で…」みたいに言われるけれど、個人的には好きなものが多い。本作もご多分に漏れず、僕の耳、心を存分に刺激してくれる一枚と言えよう。まずはなんといっても、"I'm Down For That"!80年代前半らしい、キレのあるダンスナンバーで、軽快なカッティングギターに高揚感のある歌メロがもうなんとも言えない一曲。続く、"Nothing Can Hold Us Back"は心地よいメロウなミディアムで、サビ部分での甘いコーラスとリードの熱い絡みはやはりソウル好きは反応せずにはいられない。その次を飾る"Brand New Fool"も見逃せない良曲で、AORテイスト漂うメロディラインがひたすら風通しのよいメロウミディアム。とここまでの楽曲はすべてA面で、Leon Haywoodが手掛けたもの。続くB面がセルフプロデュースによる楽曲群。悪くは無いのだが、やはり出来は落ちるなぁ(でも、熱く歌い上げる"Do You Really Mean It?"とかは好きよ)。プロデュースを全編Leon Haywoodに任しておけば、真の名盤として語り継がれていたのかもしれないのだが、そこで何でも出来る自分の力を見せたかったという点に器用貧乏さが出てしまったのかなぁ。歌もマイルドで個性はあまり無いのだが、ある程度の声量はあるし、なかなか好きなタイプのシンガー(特に80'sサウンドにはこの手の声が合うと思う)だし、もう少し評価されてもいいんちゃいまっか?ちなみに、CDは廃盤でかなり高いっす。レコも結構珍しいんだが、安値で転がっているトコもあるはず。

2009年5月30日 (土)

やべっ!ついに7に手ぇ出しちまったVerdictな日

Verdict ソウル買うなら7inch。まあ、こんな話がまことしやかに巷に流れているわけですが、正直な話、私いままで7inch童貞でした。でも、ついに、この前買っちゃったわけですよ。ドーナツ盤とやらを。よく行くソウル系のレコが安く売っている店に顔を出して、「最近、なんか入荷ありました?」と聞くと、「あんまり入ってないですねぇ…」という寂しい返答。「あっでも、7inchはちょっと入りましたよ。」と店の片隅から30枚くらい出てきましたよ、ドーナツ盤が。最初は、「どうしようかなぁ…」と思ったのですが、「まあ、この店は値段もやさしいし、聴いてよかったら、ひとつ殻破ってみようか!」という心持に至りまして、ぱらぱらと見ていくことに。見ながら、考えていると、「やっぱり、ブギーかモダンの7inchが欲しいなぁ」という思いが湧いてきました。でも、だいたいあるのが、70年代前半のもので、全く見たことないようなアーティストにレーベル。やはり恐ろしく深いであろう7inchの世界に一瞬たじろぐが、一枚だけ気になる盤を発見!プロデューサーがTom Tom 84でプレスが84年。モダンな香りがたっぷり!ということで、聴かしてもらうと、これがまた最高でして、まあ千円台ということもあり、買わさしていただきました。「わ~ドーナツドーナッツッ!」ってな感じで、本日はVerdictの「That's Where I Come In」をご紹介。

84年作。プロデューサーはTom Tom 84。レーベルは、Nuance Recordsというところで、80年代半ばにシングルを中心に10枚強のリリースが確認できる(http://www.discogs.com/label/Nuance+Records)。Chi-Litesを筆頭にNext MovementやWillie Claytonの楽曲もリリースしており、中規模マイナーレーベルといった趣か(所在はシカゴ?!)。このVerdictというグループ、たぶんLPのリリースはないと思われる。しかし、Michael Jacksonを髣髴させるキレのあるリードにスウィートなコーラスが絡み合い、Tom Tom 84が作り上げるモダンで有機的な80'sサウンドは抜群の相性を見せる。個人的にはMichael Jacksonの「Off The Wall」なんかに収録されていても全く違和感を感じさせないサウンドだと思う。B面収録の"Mr. Wizard"は、80'sダンスチューン。取り立ててよい部分は見当たらず、やはりこの手のグループには少し甘めなミディアム、スロウをやらないと合わないなということを痛感させられる。7inchおもしろいすね。これから買い始めまっせ~♪

音源はここにありました。⇒http://www.dailymotion.com/video/x4hazd_the-verdict-thats-where-i-come-in_music

2008年10月 4日 (土)

Missionな日

Mission 音楽を聴く"耳"って何通りかあるような気がするですよね。それを強く感じるのが、ヒップホップやハウスといった一般的にクラブで踊るために作り出された音楽とソウルなどのコンサート等で楽しむ音楽との間においてです。前者はそのビートやグルーヴを感じるのに対し、後者はそのメロディや歌唱を味わうと。前者は一般的には若者に好まれ、後者はおじさんたちに好まれているのですが、僕の言いたいことは「どっちもいいんだし、若ぇもんもおっさんもどっちの音楽も聴こうぜぇい!」ということなんですよ。僕は、どちらが先にということもなく、ソウルとヒップホップを同時期に聴き始めたっていう、ちょっと異人種的な人間なんですが、それが功を奏してどちらも楽しめるような価値観が出来たと思うんですよね。ここでは、それをつなげるような手助けが出来ればという理想は持っているんですが、現実はどうでしょうか?ここに載っているソウルに「おっ」っと思った人はここに載せてあるクラブミュージックを、ここに載せてあるクラブミュージックに「おっ」っと思った人はここに載せてあるソウルを是非聴いてもらいたいですね。とか、キモイくらいに理想を語っちゃいました。まあ、久々の更新だかんね。さてさて、それでは本日はMissionの「Search」をご紹介。

87年発表のアルバム。プロデュースにはあのNick Martinelliが関わった7人組ヴォーカル&インストグループ。録音もそうだし、フィラデルフィアのグループってことでいいはず同じくNick Martinelliが手がけた52nd Streetは先日めでたく再発されましたが、こちらは音沙汰なしっすね…。内容的にはあちらとも似たクールで爽やかな80's作品に仕上がっています。こういう音を聴くと、やっぱりNick Martinelliの手がける音って一般的に言うブラコンのキツめな音ではなく、クールな甘さがある気がするんだよなぁ(UK風味というかジャズ的とでもいうか。特にLoose Endsのプロダクションなんかでそれを強く感じますね)。本作でもその雰囲気は、冒頭の"Show A Little Love"でうまく表現されています。このクールなミディアムの心地よさといったら、たまりませんね。ベタベタなメロディでせまるアーバンスウィートスロウ"Ready To Give My Heart"も文句なしの出来!Nick Martinelliと同じく80年代に フィリーを拠点に活動したDonald Robinsonの"Lover For Life"は歌い込み系のナイススロウ。ミディアムの"Lena"も結構いいところまでいってます。ミディアム~スロウは本当にどれもいい出来しているんだが、ファンクチューンはあまりほめられた出来ではないです。それでも、かなりいい出来のアルバムだし、52nd Streetよりは断然安く見つけられそうなんで、あったら是非ご購入を。

2008年7月31日 (木)

Anthony Watsonな日

Anthony_watson 最近、レコ屋で働き始めたからか、インディソウル好きが加速しています。以前はむしろ反対派(「なんで、R&Bというメジャーでやっていける実力の人たちのフィールドがあるのにわざわざマイナー盤買わなあかんねん!」っちゅー理屈ね)だったんだけど、お店で働いてると、これまた良質な作品がごろごろあんのよ(最近入ったChestnut Brothersのシングルなんてヤバ過ぎ)。でも、今のアーティストに投資するってことが、ひいてはソウルを残していくことにつながるわけだから、やっぱり新譜、それも自分がいいと思うアーティストの作品を新品で買う重要性は高いのではないかという結論に至ったんですよ。でも、やっぱ新品買うのはちとツライ…。ここらへん、音楽好きのジレンマですよね。バランスとって買ってきましょ。。。てな感じで、本日はAnthony Watsonの「Anthony Watson」をご紹介(ってめっちゃ中古盤やん)。

85年発表のアルバム。指からビームジャケで有名な本作(んなアホな)。まあ、のちにChi-Litesに参加といった基本知識はUSブラックディスクガイドで詳しく触れられているから、ここで蒸し返す必要はないかな。で、肝心の内容はというと、典型的な玉石混合盤。楽曲の出来に天と地ほどの差があるってな感じですわ(まあ、そういうアルバムって結構あるから、不思議だよね。この曲とあの曲は本当に同じ力で作ってんのか?!と)。まあ、天が一曲ありまして、この曲のためだけに買うっていうのはある意味真実ですね。それがB面冒頭の"Solid Love Affair"。甘茶界隈でも高い評価を受けるこの曲は本当にスウィートな傑作。甘い泣きのメロディにどこか不安定に感じさせられるファルセットが本当に好相性すね。次に続くのがA面冒頭の"Every Time We Touch"。こちらはぐっとアーバンな楽曲。いい雰囲気の曲なのだが、どうもイキきらない歌メロがもどかしい。"Lover Man"も悪くない出来。その他の地声で歌ったスロウ群は若干アラが見える感じかなぁ。アップナンバーは聴けた代物じゃあないすね。まあ、80’s弱マイナーな佳作。千円台後半で探しましょ(2800円出すと、若干後悔するかも…)。

2008年7月 7日 (月)

落ちぶれた?!Harold Melvin & Blue Notesな日

Harold_melvin_the_blue_notes_4   2naさんのToday's Special Is... でも数枚紹介されているSOUL MASTERPIECE VOL.1 「80'sブラ・コン編」 全10タイトルは結構すごいことになっています。今までは中古CD史上やオークションで高値で取引されていたタイトルがなんと税込み1800円ぽっきり。これは、中レベル廃盤オリジナルレコ(1890~2100円程度か)を買うより安いっつーんだから、たまったもんじゃない(特に僕みたいなオークション出品者にとっては…)。でも、消費者にとってはこれ程ありがたいことはないんじゃないかな。まあ、でもレコでそれほどの値段するのってーとMagic Ladyくらいのもんじゃないかな(Phyllis St. Jamesも結構したっけか?! )。Love Smithだって1890円出しゃ買えそうだし。まあ、オークション出品者にとって怖いのは今の活気付いてる再発の連発ですよ。今日はそんなオークションに出す在庫レアCDの中からHarold Melvin & Blue Notes「Blue Album」を紹介しましょ(もちろん紹介するくらいなんで、CDは売ってもオリジナルレコは保持です)。

80年発表の作品。ソウル好きのみなさんなら、なんでそんなTeddy PendergrassもいないHarold Melvin & Blue Notesを、っておっしゃいそうですがそれはまさしくまっとうな意見でして、反論はほぼございません…。が、これもいいんですよ!Sharon Paigeという名の女性ヴォーカルが参加し、ディスコ曲を主体にやっているんですが、これの出来がなんとも素晴らしい。ディスコって言葉を聞いただけで嫌悪感を示す方もいらっしゃるでしょうが、これはそんなうがった考えも吹き飛ばす痛快ディスコチューン満載な訳です。イントロのカッティングギターが入ってきた段階で高揚感が半端なく高まる冒頭の"Tonight's The Night"、から文句なしでしょう。続く"Prayin'"、"Baby I'm Back"もディスコなアップ曲で出来は素晴らしい("Baby I'm Back"は"Ain't No Stopping Us Now"に似てるがライターがMcFadden & Whiteheadなんで文句は言わないで)。甘いスロウが好きな方にはGamble & Huff作の"I Should Be Your Lover"という間違いない一曲も入っています(リードとコーラスの絡みもいいなぁ)。続く"If You're Looking For Somebody To Love"は冒頭3曲と趣が同一の好ディスコ、ラストの"Your Love Is Taking Me On A Journey"はMcFadden & Whitehead作の好スロウ。つまり全曲文句なしの出来ってこと。僕の琴線にここまで触れてくる作品は類まれです。で、最後のこの作品がなぜ素晴らしいのかの種明かしを。それは、レーベルがSourceだからです。忘れた方もいるでしょうが、以前に紹介したOpus 7、Smashもここ産。本当にレベル高い作品を出しているんです。でも、これでSource産のレコは種切れ…。誰かSourceから出ている他のレコを持ってる方、情報求む!!

2008年3月15日 (土)

パリはDebra Lawsな日

Debra_raws 海外3日目は、まだフランクフルト。でも、朝7時前には起床し、すぐに身支度。なんつっても、9時にフランクフルト~パリのICE(日本の新幹線的なもの)に乗らなきゃなんないかんね。おいしい朝飯をちゃっちゃと済まし、ホテルをチェックアウト。駅には発車の1時間前くらいには着いたかな。荷物チェックとかがあるのかなと思ったら、何もなく簡単に乗車→提示に普通に発車、っていうちょっと拍子抜けな展開。結局、車掌が回って来て切符をチェックするのが、全てだった。まあ、EURO内だからなのかな、といちよ納得する。電車は、フランクフルトを出て30分もしないうちにまっ平らな畑が地平線まで広がる風景に様変わり。その後は、山間部を通ったが、家は駅の周辺にはある程度あるのだが、それ以外はぽつぽつといった感じで、ヨーロッパの田舎の風景が垣間見れた気がした。3時間もすると、パリ西駅に到着。そこから地下鉄に乗り、凱旋門から歩いて5分圏内にある予約しておいたホテルを目指す。地下鉄は日本より汚く、窓ガラスには隅々までタギング(クギなどで引っ掻いてつくったもので、アートとは呼べないようなシロモノ…)がなされていた。なんかなぁ、と萎えていたら、なんか見覚えのある黄色い袋が目に飛び込んできた。そう、僕がいつもひいきにしてるブックオフさんのものだったんです。ここまで来て、どこまで縁があるんだよ、と一瞬苦笑いが出たが、まあそれほどまでに広がってるってことだよな、と感心もした(買い物袋を持っていたのは、肥満の女の子。中身はジャニーズが表紙の雑誌だった…)。そんなご縁も感じながら、今日は、またまたロンドンで購入したDebra Lawsの「Very Special」をご紹介。

81年発表。てか、この作品は国内再発CDで持っていたんだけれど、金欠時に放出した過去がありまして…。今回は、オリジナルがお手頃な価格で売っていたため、再度購入という運びになった訳ですわい。Hubert Laws、Lonnie Laws、Eloise Lawsというミュージシャンを輩出しているLaws一家の末っ子にあたるのがこのDebra Laws。上の二人はジャズミュージシャンだけれど、姉貴にあたるEloise LawsはInvictusなんかからも作品(結構いいすよ)を発表している列記としたソウルシンガー。そんな音楽一家の家庭だからこその作品で、プロデュースは兄であるHubert Laws、Lonnie Lawsの二人が手掛けています。参加ミュージシャンも若干ジャズよりで、Bobby Lyle、Leon "Ndugu" Chancler、Arthur Adamsなんかが関わっています(Lonnie Lawsのサックスも曲のところどころで聴こえてくるしね)。その影響か、AOR寄りの重過ぎないお洒落サウンドが全体に溢れている(後、ジャズ的なソロプレイが多いのも特徴か)。そんな中でも、特筆すべきは、もちろんタイトル曲である"Very Special"。この普遍的で、どんな音楽好きの心にも響くであろう歌メロはまさにVery Special。洗練された楽曲にスパイス的に絡むLonnie Lawsのヴォーカル&サックスも間違いないのだが、やっぱりこれを歌うDebra Lawsの歌唱はこの楽曲にベストマッチでしょう。若いゆえの声質が、この歌メロに合ってるんだよなぁ。他収録曲も外れが無く、全体的に高いレベルをキープしている。"Meant For You"は、メロウな楽曲とDebra Lawsのちょいロリ声歌唱が相まって、レゲエのラヴァーズのような爽快感をもたらす好ミディアム。"Long As We're Together"は、"Very Special"同様に歌メロの存在感が大きい良曲(Lonnie Lawsのつくる歌メロには本当に感心させられる)。全体的にハイレベルな洗練された一枚です。

Cimg15762 シャルル・ドゴール駅で降り、地上に出ると、そこはもう完全にパリ。目の前には凱旋門があり、シャンゼリゼ通りが通っている。その景色に圧倒されながらも、徒歩数分で着く位置にあるホテルへと向かう。そこは、小さなホテルで客室は30ちょい。なんか内装も古めな趣があってなんかいい(中世とかそんなんじゃなくて、戦後すぐみたいな感じ)。着いたのが昼過ぎだったので、近くで昼食をとることにした。ホテルから出てすぐのところに中華料理屋が目に入る。今まで、パンや肉ばかりの生活だったので、米や麺が恋しくなり、店に入る。少し小汚い感じの店だったが、久しぶりの米はなんであれ、やっぱりうまい。店内には10代後半(見た目は20代)くらいのパリっ娘が二人おり、こんなにすらっとしてモデルみたいな感じ(白人は、背が高いのと顔立ちが整っているので、日本人からしたらそう見える)なのに、僕よりも結構年下なんだろうなぁ、と思うと少し萎える。パリで目標にしていたのは、古着屋とそこ周辺の街散策。レ・ホールという駅で降り、辺りを歩く。古着屋はあるにはあるのだが、値段は日本と変わらないくらいか少し高い…。その街(竹下通り的雰囲気)を闊歩するのは、今風のB-BOYスタイル(PharrellやKanye Westみたいな太すぎず、色使いが派手な感じ)でキメた10代後半のパリっ子達。ちょっと圧倒されたが(向こうは本当にデカイ。僕も178cmあるのだが、基本的には僕よりも身長がある)、日本のヤンキーみたいな野暮ったさはなく、結構似合ってるから感心。そんなことを思いながら、歩いていると、少し人通りも少なくなってきた。すると、二軒並んだ小汚い古着屋が。こういうところならと思い入ってみると、案の定リーズナブル。Adidas好きとしては、要チェックなEURO(フランス、西ドイツ、ユーゴ辺り)産のジャージがわんさかあり、そのどれもが25~35EURO(4000~6000円)でお買い得だ(日本だと1万前後か)。結構いいものもあったのだが、ジャージは持っているものが多いので、今回はスルー。隣の店では、靴が10EURO(1600円)均一で売っていた。ここには、Adidasのサンバやユニバーサルといった名作モデルからマルタンマルジェラのモデルになったドイツ軍のトーレーニングシューズなどを扱っていた。ドイツ軍のトーレーニングシューズは持っているので、記念にサンバかユニバーサルを買おうと思ったのだが、一番いいサイズ(27~28cm)はやはり置いていない。しょうがないので、商売用にユニバーサルの26cmを購入。う~ん、やっぱりその細身なフォルムといい、シンプルな配色といい非常にカッコイイ。なーんてAdidasの良さを再確認して、ヨーロッパ紀行文3日目は終了。写真は、「naffgroove In Paris」っちゅーことで、凱旋門前で。

2008年3月 7日 (金)

ドイツでDelegationな日

Delegation 戻ってまいりましたよ、日本に。いやぁ、でも、今すぐにでもまた行きたいですな、ヨーロッパに。まぁ、そんな気持ちも現実で押し流されていくのでしょうが、今はそこを大切に振り返っていきましょうよ。最初に降り立ったのが、ドイツはフランクフルト。ホテルに到着し、荷物を降ろしたのが夜7時過ぎくらいだったのだが、飛行機でほとんど寝られなかったこともあり、もうふらふら。それでも、街に繰り出してみるが、店は大体閉店ムード…。飲食店は開いているので、目に付いたパブに入ってみる。そこで夕食を取り、ホテルに帰り一日目は終了(鳥のクリーム煮の味はまあまあか。でも、いかんせんEUROが高いため、割高感たっぷり…)。久々に夜早く寝たこともあってか、翌日は早朝から元気満点。ホテルの朝食は、パン、ハム、ジュースといった簡素なものだが、非常にうまみがたっぷりで、日本で食べるものより数段おいしかった(本場だしね)。早々に用意を済ませて、一番の楽しみである街歩きを慣行。街並みは歴史と現在がうまく融合しており、非常に良い景観だ。しかし、街の印象としては、地方都市のイメージが強く、デパートなどは充実しているが、おもしろい小さい店というのは少数な感じ。デパ地下にいた現地在住の日本人の方(夫が現地で働いている主婦っぽい)に「中古レコード屋や古着屋はありませんか?」と聞いたところ、「う~ん、ないんじゃないかなぁ…」という残念なお答え…。まあ、そんなときは、持ち前の足で稼ぐ根性と勘をたよりにふらついてみる。そううすると、目抜き通りから一本折れたところに小さいレコ屋を発見!この、ワクワク感はやっぱりたまらない。足早に店内に入ってみると、ハードロックなどに力を注いでいる店のよう。でも、こんな店ほどソウルの掘り出し盤が格安で眠っているもの。それで、少し掘ってみて愕然。いかんせん値段が高すぎるのだ。日本では500円以下のクズ盤(値段的にね)が、12EURO(2000円くらい)程度の販売額で売っている。急いで、CDもチェックすると、新譜の中古は15EURO(2500円くらい)程度。これは、買えない。気分も萎え萎えで、店を出る…。この値段が当たり前なら、ひどいことになるなという予感を胸にまた歩き始める。昼食は、肉屋の前で売っている、豚バラ煮込みサンドを購入。500円弱だが、これは非常にうまかった。これで元気も出て、歩きに力が入る。回りを見渡しながら歩いてみるが、フランクフルトにはあまりお洒落だなぁ、と思うような人はおらず、暗い色を基調とした落ち着いた感じ。まあ、そんな観察を続けながら歩いていると、街もだんだん外れの方に。でも、雰囲気はなんかレコ屋とかがひょっこり現れてもよさそうな感じ。と、思っていると、早速、フランクフルト二軒目のレコ屋が!おぉ~、と思い入ってみるが、そこはテクノなどのクラブミュージック専門店(ヨーロッパにはこの手のタイプのレコ屋が結構あった)。まあ、Tシャツなんかを少し見て、足早に店外へ(「Vinyl Kills MP-3 Industry」という過激なプリントの入ったTシャツが売っていたが、それはちょっと言いすぎじゃないかな。「Vinyl Lives With MP-3」くらいがちょうどいいんじゃない?)。これは、フランクフルトでは買うものないんじゃないか、っていう不安がますます膨らみ始めるとともに、空の雲もどんよりと膨らんできた。気分がブルーになりながら、3分ほど歩くと、幸運にもまたレコ屋が。入ってみると、クラブミュージック、ヒップホップ、その他古めのブラックミュージックという僕のニーズに合致する感じ。興奮気味で、ソウルの棚を掘り始めるが、再発盤が非常に多く、オリジナルは稀。それでも、Karin Jones「Karin Jones」(2000円くらい)とDelegation「Deuces High」(1600円くらい)を抜く。Karin Jonesは非常に再発ぽかったので、お店の人に聞いてみると、やはり再発のよう。それでも、日本では高いDelegation「Deuces High」のドイツオリジナル盤が千円台半ばで手に入るなら儲けもんすよ。ってことで、今日は、Delegationの「Deuces High」をご紹介。

82年発表。まあ、Delegationっていうと、今でも頻繁にネタ使いされる"Oh Honey"収録の「The Promise Of Love」が有名ですが、こちらの作品はアルバム単位としては最終作である4作目。70年代の魅力が溢れたあの作品も良いのですが、メンバーも一人減り、80年代的な洗練を帯びたこちらの魅力も相当なもん。もともとUKのグループなのだが、US盤も別ジャケで出ている多く出ている。しかし、本作のみEURO圏内でしか出ていない盤であり、ちょっと手に入れにくいかもしれないが、それで日本のソウル好きがだまっているはずもなく、ちゃんと再発されています(やっぱすごいよね、日本人は)。本作のプロデュースも、もちろん一作目からずっと蜜月関係のKen Gold(Real Thingなども手掛けるUKソウルの大御所プロデューサー)。楽曲から以前のようなディスコ臭が消え、その代わりに入ってきたアーバンな80'sな音の質感(AORな香りもするかな)も心地良い。そんな魅力がいかんなく発揮されているのが、冒頭の2曲だ"What Took You So Long"の方は、これぞ80年代前半というシンセのきれいなメロディに生音ドラム&ベースが絡む珠玉の1曲。歌メロもキャッチーで素晴らしいです。続く"I Figure I'm Out Of Your Life"はAOR的な柔らかい音色のミディアムナンバーでこちらもひたすら心地良い。"If You Were A Song"みたいな壮大なバラードは、ちょっとないかなぁ。他収録曲でもミディアムは結構いい出来。ヨーロッパ行って、安く見付けたら即買いの一枚です。

Cimg15652_4  このレコを買ったのはPro Vinylというお店。フランクフルトのレコ屋事情は、事前に調べてもほとんど載っていなかったので、他店も足で稼ぐしかないという状況…。そこで、ここは、つたない英語でも店の人に聞いてみるしかない、と決心し、質問。「Do You Know Other Record Shop In Frankhurt?」とあってるかどうかも分かんないような英語で質問をすると、店の人は、満面の笑みで「Sercret」と一言。こちらも満面の笑みで「Oh~~」とか言ってみる。そうすると、普通に店を教え始めたので、「冗談かいっ!」と心の中でツッコんでおいた。店員が説明してくれているのだが、僕の微々たる英語能力(浪人したのにセンターで半分いかないという未曾有の苦手っぷり)では、ほんとに30%くらいしか分からなく、向こうもそれを察知して、地図に場所を書いてくれた。その店員が言うには、フランクフルトで、店舗を持っていてソウルを扱っているようなレコ屋は、ここと教えてもらったもう一つのところくらいしかないらしい。インターネットでの販売を行っている店は結構あるみたいで、やはりどこの国でも音楽事情は一緒かぁ、と思いながら店を出ると、さっき膨らんできていた雲から雨が降り始めていた。と、ちょっといい感じの部分でヨーロッパ旅行記一日目は終了です。乞う御期待。ちなみに写真は、フランクフルトの街角で愛しのAlicia Keysとツーショット(笑)。

より以前の記事一覧